AIでコンタクトセンターを革新--NECが「自動応答ソリューション」

NO BUDGET

2016-11-04 08:41

 NECは11月1日、顧客や従業員といったユーザーからの問合せに応対するコンタクトセンターにおいて、AI技術を用いて迅速・的確な回答を支援する「自動応答ソリューション」を開発し、同日より販売を開始すると発表した。価格は個別見積。提供開始は2017年3月から。

自動応答ソリューションのイメージ(NEC提供)
自動応答ソリューションのイメージ(NEC提供)

 本ソリューションは、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つである「テキスト含意認識技術」を用いて問合せ内容の意味を理解した上で、大量のQ&Aデータから最適な回答案を高精度に抽出してユーザーに自動的に回答したり、オペレーターによる回答を支援するもの。

 利用されているテキスト含意認識技術は、文中における単語の重要性や主語・述語などの文の構造を考慮して文章の意味を理解するNEC独自の技術。米国国立標準技術研究所(NIST)が主催する評価タスクにおいて1位を獲得した実績があるとのこと。

 これまでの回答検索システムでは、専門用語や決まった表現を入力しないと適切な情報を見付けることができなかった。またQ&Aデータの整備が不十分な場合、回答案がないことを判別できず、誤った回答案が抽出されるといった問題があった。新ソリューションはこうした課題に着目し、AI技術を用いて大量データからの情報検索精度を大幅に高め、コンタクトセンターの運用効率化を実現するという。

 またこのソリューションの開発に際して、NECマネジメントパートナーにおいて、同社が受託・運営するNECグループ向けコンタクトセンターで試行的に適用されている。その結果、各問合せに対して抽出された回答案の正当率は90%以上を達成、オペレータの作業時間を30%以上削減できる見込みを得た。こうしたノウハウも反映し、性能を高めているという。

 ソリューションの主な特徴は以下の通り。

多様な表現による問合せに、的確に自動応答

 音声認識ソフト(別売)、チャットなどの多様なコミュニケーションツールを介して入力されたテキストデータをテキスト含意認識技術で分析。決められた専門用語が使われていなくても問合せ内容を適切に理解した上で、最適な回答案をQ&Aデータから自動で抽出する。同じ意味でも異なる単語が使われる場合や、異なる意味で同じ単語が使われる場合でも高い品質の抽出が可能であり、オペレータを介さずにユーザーへの自動応答を実現する。

 また、オペレータを介するコンタクトセンターで本ソリューションを活用する場合も、オペレータが決められた専門用語の入力を行うことなく、適切な回答案を高精度で抽出できる。

Q&Aデータに存在しない問合せを「回答なし」と判断し、誤った回答の提示を回避

 問合せの内容をテキスト含意認識技術で分析し、既存のQ&Aデータに存在しない問合せを「回答なし」と正確に判断。これにより、誤った回答案の提示を回避する。また、Q&Aデータの中から問い合わせに関連する情報を「参考情報」として抽出し提示することで、オペレータの回答作成を支援し、回答作成時間を短縮する。

 さらに、オペレータが作成した回答をQ&Aデータに反映することで、以降の問合せには自動で応答できるようになる。

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