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海外コメンタリー

希少な疾患を診断する医師を「IBM Watson」で支援 - (page 2)

Jo Best (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-11-21 06:30

 将来の目標は、それらの情報をすべてWatsonに取り込み、鑑別診断のためのデータ(患者の症状に合致する可能性のあるすべての疾患のリスト)をシステムに出させることだ。その後人間の医師が、患者にどの疾患が当てはまるかを検討する鑑別診断を行う。また、もしWatsonがデータの中に異常だと思われるものを発見した場合はそれを知らせ、医者が対応できるようにするか、その結果を無視して検査をやりなおせるようにする。

 理論的には、Watsonで鑑別診断の対象となる疾患を評価して、あてはまる可能性が高い順に並べ、診断に役立てることも可能だが、Schafer氏はこのアプローチには落とし穴があるかもしれないと話す。

 「現在、このアプローチを用いるかどうか議論しているところだが、これにはリスクがある。可能性が高い疾患が示されていると、まずその疾患に焦点を合わせることになる。しかし、もし実際に罹っているのが別の疾患であれば、その患者の役には立たない。Watsonが可能性を提示すれば、最終的に医者が考えるのをやめるという懸念があることを確信している必要がある。『心筋梗塞の確率が90%ならそれで十分だ』、しかしやはり致命的な疾患である大動脈解離の可能性が1%あるのなら、これについて誰も考えないというリスクを負う。われわれは今、この機能を使うべきかどうか検討している」(Schafer氏)

 同センターでは、今後数カ月以内にWatsonのシステムを実際に稼働させる予定だ。システムの診断を手助けするため、同センターは1200項目のデジタル質問票を導入し、患者に回答してもらう。症状から家族歴、住んでいる環境、職業に至るまで、この情報には診断に影響を与えるかもしれない要因についてのさまざまな知見が含まれており、回答はWatsonに入力される。このデータは、IBMのクラウド「Bluemix」に入力して処理される前に、匿名化される。Watsonには、英語の医療情報と相互参照できるように、入力された情報をドイツ語から英語に翻訳する機能も与えられる。また将来は、特定の疾患を除外したりして診断を絞り込むための、追加検査の提案も可能になるかもしれない。

 現在は、過去に同病院で診察して疾患を特定した患者の情報を使ってこのシステムのテストを行い、どの程度適切に機能するかを調べている段階だ。

 このテストは12カ月間行う予定で、もしうまく機能していれば、ドイツの医療法人グループRhon-Klinikumに所属する5つの施設(5300床の入院設備を持つ医療機関であるマールブルク大学病院を含む)で、神経医学、腫瘍学、救急医療などをはじめとする分野で使用する可能性がある。

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