Microsoftは米国時間11月15日、「Azure Bot Service」のプレビュー版を公開したと発表した。これは、「Microsoft Bot Framework」を用いてボットの開発を加速化できるようにする新サービスだ。
このサービスは、同日に一般提供が開始されたMicrosoftのサーバレスコンピュートサービス「Azure Functions」をベースにしている。Azure Functionsは、Amazon Web Services(AWS)の「AWS Lambda」に対抗するサービスであり、これによってボットのスケーラビリティをオンデマンドで実現できるようになる。
Azure Bot Serviceを利用することで、「ユーザーがどこにいようと、アプリやウェブサイトから、テキストメッセージあるいはショートメッセージや、『Slack』『Facebook Messenger』『Skype』『Microsoft Teams』『Kik』、『Office 365』のメールといったさまざまな人気サービスを用いて自然に対話が行える、インテリジェントなボットの開発や接続、配備、管理」が可能になると同社ブログでは説明している。
このサービスを用いることで開発チームは、「Microsoft Cognitive Services」を利用したインテリジェントなボットを開発できるようになる。Cognitive Servicesにより、ボット開発に向けて蓄積された開発者の経験を直接統合できるようになる。開発環境には、ブラウザ上から直接C#やNode.jsを用いてボットを開発したり、開発者が使用している統合開発環境(IDE)やエディタで開発する際にすぐに利用できるテンプレートが含まれている。
Microsoftは、3月に開催した同社の開発者向けカンファレンス「Build 2016」でBot Frameworkを披露していた。このフレームワークは3つのパーツから構成されている。1つ目は、C#やNode.jsを用いてボットを開発できるようにする「Bot Builder」と呼ばれるSDKだ(GitHubで公開されている)。2つ目は、テキストメッセージあるいはショートメッセージや、Office 365のメール、Skype、Slack、「Telegram」、Kikなどとボットを関連付けるとともに、接続や公開、管理を可能にする「Bot Connector」だ。そして3つ目は、Bot Frameworkを用いて開発したボットのための「Bot Directory」だ。
Azure Bot Serviceのプレビュー版を試用したい開発者は、同日より公開されているページにアクセスしてほしい。
またMicrosoftは同日、AzureがOpenAIの「推奨クラウドプラットフォーム」として選定されたとも発表した。OpenAIは、人工知能(AI)のさらなる進歩を目的として、Elon Musk氏やSam Altman氏、Greg Brockman氏、Ilya Sutskever氏によって設立された非営利目的の研究機関だ。
Microsoftによって発表されたAI関連のその他のニュースとしては、「Microsoft Azure」上のGPU搭載仮想マシン「Nシリーズ」を12月より一般提供するというものもある。Nシリーズは、深層学習やシミュレーション、レンダリング、ニューラルネットワークの訓練といった処理を含む、コンピューティング集約型のワークロードを処理するためのものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。