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海外コメンタリー

活用広がるAIと「ブラックボックス」の実情(後編) - (page 3)

Charles McLellan (ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-12-12 06:30

 Bloomberg BetaのShivon Zilis氏とJames Cham氏は、Machine Intelligence 3.0の概況では、2年前に初めて調査を開始した時に比べると企業の数は3分の1以上増加し、はるかに多くの企業がAIを手がけるようになってきているため、「包括的な理解を得るのは到底無理だと感じている。というのも、これは世の中で推進されているすべてのアクティビティの表面を引っかいた程度の調査でしかないためだ」と記している。この状況は、ハイプサイクルで言うところの「過剰期待の頂」に向かって急速に成長している分野でよく見られるものであり、市場の成熟とともに多くの新興企業が生み出され、M&Aが実施されるはずだ。しかし、AI分野ではどの新興企業が繁栄するのだろうか?Bloomberg Betaの著者らは、「われわれが見る限り、長期的な安定軌道に乗る(新興)企業というのは、自らの持つテクノロジを問題に特化した新たなアプリケーションとして企業向けにパッケージ化できる、あるいは新規参入企業として業界自体を変革できるところだ」と記している。

展望

 近い将来、AIはどのように進歩していくのか?

 Nuance Communicationsでコーポレートリサーチを担当するシニアディレクターNils Lenke氏は、「さまざまな種類のニューラルネットワークが出現するなか、人々はそれらの処理で実際に何が起こっているのかについて、より注意を払うようになるだろう」と述べるとともに、「ニューラルネットワークは、結果を導き出すだけでなく、エビデンスと推論プロセスを明確に浮き彫りにできるよう、各レイヤ上で起こっていることと、それらがデータとどう関わるのかを可視化し、どのエビデンスがどういった意思決定に結びついているのかという推論過程の透明度を高めてほしいと思うはずだ」と述べている。

 またLenke氏は、AIを構成するテクノロジはニューラルネットワークだけではないと強調し、「われわれは、知識表現とルールベースのシステムに基づくAIも研究している。一部の重要な問題は、適用するルールと適用しないルールを人間が完全に制御できるルールベースのシステムを用いた方がよりよい結果を生み出す可能性もある。こういったテクノロジが有効であり、人間によって簡単にルールを規定できるのであれば、それを道具として使用すればよいのだ」と続けている。

 データやアルゴリズム、コンピューティングリソースすべてについて利用可能性が向上している現在、AIの実装は比較的容易になってきている。しかし、検討しておくべきヒューマンファクターが常に存在する。それは、人間が誤った質問をしたり、欠陥のある訓練データを用いたり、出自不明のアルゴリズムが導き出した結果を受け入れてしまうというものだ。

 われわれは超知性を備えたAIを恐れるべきなのだろうか?やがては恐れるべきかもしれない。しかし、それよりもまず、人が現在のAIテクノロジをどう使うのかに注意を払うべきだろう。Bloomberg BetaのZilis氏とCham氏も、「次の数年で起こり得るのは、ディストピア系のSF映画で見られるような危機的状況ではない。機械知性における本当の危険は、企業の幹部らが機械知性を用いて実現することについて、誤った意思決定をしてしまうというところにある」と述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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