今年1年いい子にしていたLinuxユーザーのあなたに、サンタがプレゼントを用意している。Linux Mint 18.1「Serena」だ。
Serenaは「Ubuntu 16.4」ベースの長期サポート版LinuxデスクトップOSで、過去最高の出来となっている。
その理由を説明していこう。まず、Linux Mintはようやく自動的にアップグレードできるようになった。これまでMintでは、ホームディレクトリの個人用ファイルを別のパーティションに分離しておいた上で、手動でアップグレードする必要があった。ほかのほとんどのLinuxディストリビューションでは、すでにこの問題を解決している。しかし今回のバージョンから、Linux Mintでも非常に簡単な手順で自動アップグレードが可能になった。
ただしこの機能はKDE版やXfce版ではまだ提供されておらず、これらのデスクトップでは、2017年前半まで待つ必要がある。
また筆者は、Mintのデフォルトデスクトップである「Cinnamon」のアップデートも気に入った。今回の「Cinnamon 3.2」では、多くの小さな改良が施されている。
例えば、新しいスクリーンセーバーはゼロから書き直され、高速になり応答性も向上した。スクリーンセーバーからバッテリの状況を確認できるなど、便利な機能も追加されている。また、Cinnamon 3.2では、「Ubuntu Unity」のように、パネルやメニューバーをデスクトップの両脇に配置することもできるようになった。
Cinnamon 3.2では、パネルやメニューバーをデスクトップの両脇に配置することもできるようになった。
今回も、デフォルトで利用できるプログラムが新しいものに変更されている。例えば、Officeソフトは今回「LibreOffice 5.1.4.2」になった。
また大きなアプリケーションの変更が1つ行われ、メディアプレイヤーが「Banshee」から「Rhytmbox」に変更されている。Bansheeには2014年以来新しいパッチが提供されていなかった。
Linux Mintの推奨RAMサイズは1Gバイトとなっているが、わずか512MバイトのRAMで実行可能だ。また、推奨されるHDDの空き容量は20Gバイトとされているものの、10Gバイトでも動作する。最低ディスプレイ解像度は1024×768。
UEFIを備えた比較的新しいシステムであれば、Mintの動作に問題が生じることはないはずだ。Mintの開発チームは、Windows用のセキュアブートを無効にしなくてはならない場合があると報告しているが、筆者自身は、Mintとセキュアブートを使用したWindowsを問題なく併用できている。
同じように重要なのは、Mintでは今までと同じ作業をするのに、新しい使い方を学ぶ必要が一切ないことだ。新しい機能も、改善された機能もあるが、その恩恵を受けるために、これまでのやり方を変える必要はない。他のデスクトップOSの設計者も、この点についてはMintから学ぶべきだろう。
もしMintを体験してみたければ、MintのCinnamon版、MATE版ともこのページでダウンロードできるようになっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。