こんにちは。サイボウズの伊佐です。
今変わりつつある業務システム開発の現場を紹介する本連載、前回は、「Flying Tiger Copenhagen」という雑貨店を展開するZebra Japanの情報システム担当者に開発現場のお話しをうかがいました。そこで出てきたのは、社内リソースでシステムを提供する「自力SI」という言葉。自社の現場と一緒に模索しながらシステムを作ることで、現場をモチベートしながら企業成長を支える開発が実現されているというお話しでした。
さて、ユーザー企業が自力SIをする時代に、SIerはどこでビジネスをしていくべきか? この問いに対して、「顧客の問題解決にコミットする」との力強い解を打ち出し、ビジネス展開をしている企業があります。39万円からの定額制システム開発「システム39」という新しいビジネスモデルを生み出したジョイゾーの代表取締役 四宮靖隆さんにお話を聞きました。
100人お客様がいれば、100通りの業務システム
伊佐:本日は、よろしくお願いいたします。サイボウズの27階のオフィスに下りると、ほぼ毎日「システム39」のお客様とジョイゾーのメンバーをお見かけしますよ。
ジョイゾー 代表取締役 四宮靖隆氏(左)と筆者(右)
四宮:いつもオフィスを活用させていただき、ありがとうございます。弊社のオフィスだけでは来社するお客様をさばききれないため、最近はサイボウズさんの来客スペースもお借りしています。システム39を開始して2年経ちますが、70件以上のシステムを対面開発してきました。 いまも、1週間に1度は新規顧客からの問い合わせをいただいています。案件も首都圏だけではなく、大阪、広島、青森などの実績があります。
伊佐:2年で70個!忙しすぎることはないですか?
四宮:そうですね。でも楽しんでやっています。弊社の理念は「Enjoy IT, EnjoyLIFE」ですから、楽しくないことはやりません。それに、いわゆるデスマーチのような状態にはなっていないですよ。だいたい、毎日20時には社の明かりも消えていますし。
伊佐:それはよかったです。kintoneは働き方を変えていくプラットフォームにしていきたいので、関わるSIerさんが苦しい状況では本末転倒ですから。ちなみに、今まで開発してきた70個のシステムの中で、全く同じシステムを開発した実績はありますか?
四宮:ないですね。似たような業務があって、事例として紹介することはありますが、全く同じシステムを作ったお客様はいないです。それは、システム39が対象にしているお客様の求めるものが、いままでSI企業が相対してきたものと大きく異なるからだと考えています。
伊佐:それは面白い。詳しくお聞かせください。