IBMは米国時間1月11日、IBM Watson Healthと米食品医薬品局(FDA)の間で、ブロックチェーン技術を利用して医療情報交換の安全性を保つための研究を行うパートナーシップを結んだと発表した。
この取り組みはFDAとIBMの間で結ばれた2年契約で、「ブロックチェーン技術を用いて、安全、効率的、かつ規模の拡大に対応可能な医療情報交換の仕組み」を生み出し、推進することを目指したものだ。
最近では、情報漏えいが日常茶飯事になっている。企業がサイバー攻撃の被害者となることは時間の問題であり、結果的にユーザー情報が漏えいし、何らかの形でオンラインで売買されることになるのはほぼ避けられないかもしれない。機密性の高い個人情報である医療情報が危険にさらされれば、事態ははるかに重大になる。
IBMはFDAと共同で、電子カルテ、臨床試験、遺伝子情報、またはモバイルデバイスやウェアラブルデバイス、モノのインターネット(IoT)に保存された健康情報などから得られる医療データの安全性を確保することによって、そういったリスクを緩和することを目指している。
腫瘍関連に焦点を当てた最初の取り組みでは、ブロックチェーン技術を用いて、データがどこで、どのように転送され、交換されたかを記録する電子台帳を作る。これは、仮想通貨の取引を記録する仕組みと同様のものだ。
このパートナーシップによる取り組みが成功すれば、IBMのWatson Health部門は、医療情報を安全に共有できる、規模の拡大に対応可能な分散型のプラットフォームを構築し、ビジネスと利益を拡大するチャンスを得られる可能性がある。
最初の研究成果は2017年中に公表される予定だ。
提供:Wikimedia Commons
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。