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Rethink Internet:インターネット再考

Post-truth時代に問い直す “真実”--インターネットと「トランプ的なもの」の関係

高橋幸治

2017-02-18 07:00

私たちが置かれた情報環境を見事に言い当てた新しい「ポスト」

 「インターネット再考」をテーマとした本連載では当初から「インターネットはすでに第1四半世紀とはまったく異なる第2四半世紀のステージに突入している」ということをくどいほど繰り返し述べてきた。

 実はその予兆はすでに数年前から、第二の自然となったインターネットによる世界変容と無縁ではいられない政治や経済、文化のあらゆる場面で兆し始めていた。

 「ポスト民主主義」「ポスト資本主義」「ポスト情報社会」などなど……。70年代から80年代にかけて盛んにもてはやされた「ポストモダン」をもさらに乗り越えなければならないという予感は、グローバルなレベルで共通認識になっていたと言っていい。

 インターネット以前に提唱された「近代」の乗り越えを、インターネット第2四半世紀の入り口に立っている私たちは、より深刻なレベルで模索していかなければならない。

 インターネット自体も美術の文脈では「ポスト・インターネット」などという言葉が流布していて、もはやインターネットにログインしているか否かを問わず、人間の感性の中に染み渡り溶け混んだインターネット的知覚やインターネット的感性が紡ぎ出した作品を指してそう呼ばれている。

 いまやこのポスト・インターネット的な感覚は美術の界隈だけの話ではないだろう。

 こうした一連の動向の中で、また、現在の私たちが置かれた情報環境を見事に言い当てた新しい「ポスト」が提案された。

 英国のオックスフォード大学出版局が2016年の11月に「Word of the Year」として選出した「Post-truth」である。

 直訳すれば「真実-以降」ということになるわけだけれども、同出版局のウェブサイト には以下のような詳細な解説が付されている。

 "relating to or denoting circumstances in which objective facts are less influential in shaping public opinion than appeals to emotion and personal belief."
ーー客観的な事実が感情や個人の信条の表明よりも世論の形成に影響を与えない状況に関連している。もしくは、そうした状況を指し示している。

昨年の11月に英国のオックスフォード大学出版局が発表した2016年の「Word of the Year」。選出されたのは各所で話題となっている「Post-truth」という言葉である(同出版局のウェブサイトから引用

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