海外コメンタリー

オペレーショナルインテリジェンスシステムの実現には何が必要か - (page 2)

John Weathington (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-02-27 06:30

 各サイトのデータを集約、標準化することで情報基盤を拡充し、企業全体にメリットをもたらせるようになる。中央に集約されたOIシステムによって、サイトマネージャーは他のサイトの運営に関する洞察が得られる。その結果、データに基づいた生産性のランク付けや、ベストプラクティスからの継続的な学習、正確なベンチマークへの道が開かれる。また、企業幹部は各サイトのデータや、集約されたアナリティクスを活用し、全社レベルでの戦略的パフォーマンスを向上できるというメリットを手にする。OIシステムが実現され、成熟することで、皆がメリットを享受するというわけだ。

OIシステムの構築方法

 OIシステムの実現は簡単ではなく、克服しなければならない戦略的難関や技術的難関がいくつもある。このため、まず戦略的な難関に立ち向かい、その後で技術的な難関に取り組むようにするべきだ。

 最初に、すべてのサイトを概念的に位置付ける方法を見出す必要がある。ビジネスオペレーションにおいて、すべてのサイトの戦略的重要性は何であり、全体としてのパフォーマンスはどのように測定するのだろうか?また、ビジネスオペレーションは企業全体の健全性にどのように貢献し、その健全性を誰かに伝えるための重要業績評価指標(KPI)にどのように反映されるのだろうか?こういった取り組みから、技術的な取り組みにつながるスコアカードを作り出せるはずだ。

 次のステップはメタデータの分析だ。戦略上のチームと技術上のチームは協力し、スコアカードからのデータをサイトに落とし込むための道筋をつける必要がある。このためにチームが実行すべき3つの重要なアクティビティが一般化と抽出、変換だ。一般化は、類似のデータポイントを1つの共通概念に対応付ける作業であり、抽出は目的に見合ったかたちでのデータの排除と組み入れであり、変換は組み入れられたデータを共通概念に変えるためのルール集だ。

 最後にハードウェアを考慮する必要がある。ビッグデータをビッグデータたらしめているのは、データのマイニングが著しく高価かつ困難という点だ。このことはアプローチの手掛かりとなるはずだ。スコアカードを作成し、メタデータ分析を終えた後で、リレーショナルデータベースで対応可能と判断できるのであれば、あなたの抱えている問題はビッグデータの問題ではない。

OIの実際の例

 OIの実際を感じ取ってもらうために、筆者が米石油大手Chevron関連の仕事を手がけた際のケースを例に挙げたい。

 Chevronは、原油をその他の石油製品に精製するための精製所を世界各地で運用している。各精製所には複数のプラントがあり、それぞれが固有の処理技術(原油の分留やクラッキングなど)を使用している。筆者は、合計するとおよそ250のプラントと協力し、標準化されたリスクベースの資産戦略への移行に向けた支援を実施した。

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