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海外コメンタリー

現実世界のAI--その限界や真の課題を問う

George Anadiotis (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-03-06 06:30

 最近では、人工知能(AI)が一般的になった。AIはさまざまに注目を集め、あらゆる感情を引き起こしている。その範囲は、実践的な技術からビジネスまで、社会科学からポップカルチャーまで、そして現実主義から畏怖や当惑までと幅広い領域に及ぶ。データとアナリティクスはAIを利用するための前提条件だが、この2つの境界線はますます曖昧になってきた。

 さまざまなバックグランドと目的を持つ人々や組織が、その境界線を探ろうとしているが、この記事では、アナリティクスとAIの分野で高名な2人の人物の意見を紹介する。

「深層愚考」

 Mark Bishop教授は、さまざまな顔を持っている。AIに関する多くの著書を持つ学者であり、TCIDA(Tungsten Centre for Intelligent Data Analytics)のディレクターであり、深層学習で作った精神と、本物の精神の間にある乗り越えられない壁について、独自の見方を持つ思想家でもある。

 Bishop氏は最近、「GOTO Berlin」でこの話題について発表を行った。この「Deep stupidity - what deep Neural Networks can and cannot do」(深層愚考―ディープニューラルネットワークにできることとできないこと)と題された興味深い講演は、同イベントの「ITの未来」トラックで取り上げられ、幅広い聴衆を引きつけた。

 簡単に言えば、Bishop氏はこの発表で、自身の論文「Dancing with pixies」で挙げた反証に基づいて、コンピュータは意味を理解できず、数学的な洞察を持たず、自然の感覚を経験できないため、AIが感情を持つことはできないと主張した。

 しかしBishop氏は現実世界との結びつきを持たない、頭でっかちな学者ではない。たしかに同氏には、機会があれば、一般的な人よりもはるかに高い頻度で認識論や存在論に言及する傾向がある。しかし同時にBishop氏は、世界でも屈指の深層学習のエキスパートであり、世間で注目される前から、ニューラルネットワークに深く関わってきた。

 「これを自分の学位論文にすると宣言したときには、遠回しにばかにされたものだったが、今は主要なニュースになっていることを考えると、世の中は随分変わった」と同氏は述べている。

 同氏が高い専門性を身につけたことで得たのは、知名度や得意な話題だけではない。同氏は世界的な大企業による数多くのデータ中心型の取り組みに関与することになった。Bishop氏はTCIDAのディレクターとしてのTungstenとの取り組みを終えようとしているが、学術研究や抽象的な議論の世界と、現実世界の問題を扱うことの間には、大きな違いがあると述べている。

 私や研究チームは、Tungstenと協力して、同社のSaaSに組み込まれているインテリジェンス機能を強化するために雇われた。われわれの専門性が、Tungstenの請求業務ソリューションで収集されたデータを最大限に活用するために役立つと考えられたためだ。われわれの取り組みが、トランザクションの分析や不正利用検知、顧客解約への対応、その他の高度なアプリケーションに役立つと期待されていた。

 しかしそういった試みを始める前に、まず住所のマッチングといった数多くの現実的な問題があることに気づいて驚いた。以前はその種の煩わしい問題に関わることはなく、そういった平凡な問題は誰かがすでに解決しているはずだと考えていたが、それは違った。それらは実際、解決するには非常に厄介な問題で、まずそれに取り組むしかなかった。

AI
提供:Getty Images/iStockphoto

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