イタリアのFinTech企業Euklidは、機械学習を活用したビットコインのトレーディングを手がけている。しかし同社はそれにとどまらず、従来型の銀行業務ほとんどすべてを人工知能(AI)で実現しようとしている。
イタリアのミラノを出発点とし、英国のロンドンにも拠点を置く新興企業が増えている。MoneyFarmとSoundreefの後に続き、前途有望なイタリアの新興企業Euklidが同社の本社機能を英国の首都ロンドンに移し、同地の活気あるエコシステムに融け込もうとしている。
彼らは自社の世界戦略を実行に移すための活動の新たな本拠地として、ロンドンのLevel39というFinTech専門のアクセラレーターのスペースを選択した。
Euklidは、オンライン系の独立金融アドバイザーであるMoneyFarmと同様、FinTech分野で活動しているが、銀行業務から人間系を取り除くという、他の新興企業よりも一歩先んじた目標を掲げている。
2015年に設立された同社は、ビットコインの価格変動を予測できるというテクノロジを開発したことで、同暗号通貨の投資価値を最大化できると述べている。
同社の説明によると、このテクノロジはAIの機械学習能力と、ブロックチェーントランザクションの持つ確実さと透明性を組み合わせたものだという。
Euklidの共同創業者Antonio Simeone氏は米ZDNetに対して「ここ数年、アルゴリズムベースのトレーディングが利用されているが、われわれの中核資産は市場の変動に対して自律的に最適化、適応できる能力を有したシステムだ」と述べている。
このシステムは同氏の言葉に恥じない能力を有しているようだ。同社は過去1年のビットコイン投資で132%の利益を報告している。このシステムは、256種類のパラメータを考慮した30種類のアルゴリズムによってすべての資産を分析し、過去の実績に基づいて最善の選択肢を学習するようになっているという。
AIが小切手やデビットカードによる支払い処理や、送金処理を行う銀行を想像できるだろうか?
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