Hewlett Packard Enterprise(HPE)は米国時間3月7日、フラッシュストレージソリューションを販売するNimble Storageを現金10億ドルで買収する計画を発表した。またHPEは、この買収に伴い、Nimble Storageが持つ未確定の株式報酬支払いを引き受けるとしており、その金額は買収完了時点で約2億ドルになると見込まれている。
2007年にカリフォルニア州サンノゼで設立されたNimble Storageは、予測分析機能フラッシュストレージソリューションを提供しており、フラッシュストレージ分野における主要企業の1社だ。フラッシュ市場は、2020年までに200億ドル規模に達すると予想されているという。
HPEは同社を買収することで、既存の「3PAR」製品シリーズを補完する幅広いフラッシュストレージ製品を獲得し、ストレージ事業を強化したい考えだ。HPEはNimble Storageの予測分析プラットフォーム「InfoSight」を同社のストレージ製品全般に組み込む計画としている。
HPEでエンタープライズグループのエグゼクティブバイスプレジデントを務めるAntonio Neri氏は、InfoSightプラットフォームは、同社の製品ロードマップを実現する上で重要な要素だと述べている。
同氏はブログ記事で、「当社は将来に向けて、ハイブリッドIT製品の明確な製品ロードマップを持っており、Nimbleの買収はそこに正にはまる」と述べている。「InfoSightが持つ、クラウドから顧客が導入したインフラを監視し、機械学習と予測分析を用いて運用を大幅に単純化することで、変革されたサポート体験を提供する能力は、ストレージ市場における重要な差別化要因だ」(Neri氏)
Nimble Storageは世界に約1300人の従業員を抱えており、昨会計年度の売上高は前年比25%増の4億200万ドルだった。しかし、最近の四半期業績は、予想と比較して浮き沈みが大きかった。Nimble Storageの株式は買収完了後にニューヨーク証券取引所において上場廃止となり、HPEの完全子会社になる。
HPEのストレージ部門ゼネラルマネージャーを務めるBill Philbin氏は、「ストレージ事業では、幅広さや市場リーチの奥深さがなければ競争は難しい」と述べている。「当社はこの買収を、オールフラッシュ市場における主導権をすべての顧客セグメントに拡大するチャンスだと考えている」(Philbin氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。