ストレージはデータに寄り添うもの--オールフラッシュの先を描くHPEの戦略

國谷武史 (編集部) 2017年03月21日 07時00分

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 「ストレージの15%がディスクからフラッシュに移行したが、残る85%のフラッシュ化がチャンスになる」。日本ヒューレット・パッカード(HPE)は3月17日、ストレージ事業の戦略説明会を開催した。会見した事業首脳陣は、同分野で後発のHPEにとってオールフラッシュ化のトレンドが大きなチャンスだと話す。

 ストレージ市場では日立製作所や富士通、IBM、Dell・EMCらが有力ベンダーとして長らく名を連ねてきた。HPEは2010年に3PARを買収して本格参入を果たすが、ほぼ同時期に始まったディスクからフラッシュへ移行する流れの中で、ストレージの新興ベンダーも相次いで出現。説明会ではHPEが有力ストレージベンダーの一角を目指す戦略や将来展望を紹介した。


HPE アジア太平洋地区のデータセンター&ハイブリッドクラウド グループ最高技術責任者のPaul Haverfield氏

 米国本社でデータセンター&ハイブリッドクラウド グループのアジア太平洋地区・最高技術責任者(CTO)を務めるPaul Haverfield氏は、データが企業ビジネスだけでなく、世界全体の経済社会に新たな価値をもたらすという同社の「アイデアエコノミー」ビジョンを取り上げた。その実現にはオンプレミスやクラウドのシステムを柔軟に組み合わせて利用する「ハイブリッドIT」、世界のあらゆるデータを集める「インテリジェントエッジ」と、その2つを結び合わせて価値を創造する「アプリケーション&データ」が必要であり、ストレージはこれらを支えるプラットフォームとして重要な位置付けにあると語る。

 こうした背景からストレージ分野では、オールフラッシュ化、ソフトウェアデファインド(SDx)技術、ハイパーコンバージド、ビッグデータ&ウェブスケールという変化が起きているとHaverfield氏は解説する。これらは、データの高速処理や柔軟な活用、増大化といった状況に対応するためとなる。ITシステム全体にも関わるが、特にストレージは収集されるデータが蓄積されると同時に、活用のためにデータをシステムに提供する存在として重視されるべきというのが、同氏の主張であるようだ。

 ストレージの主要トレンドについて、オールフラッシュ化では一部の高速処理ニーズへの対応から現在は効率性を追求するニーズに移行し、2~3年後にはフラッシュ前提のストレージが価値創造に貢献するフェーズに入ると指摘する。SDx化は、データの活用目的に応じて柔軟性のあるシステムを実現するために注目され、従来のストレージアレイに加えてストレージサーバやハイパーコンバージドなども登場した。ビッグデータ&ウェブスケールでは、価値創造に必要な膨大なデータを格納できるオブジェクトストレージの採用がクラウドを中心に広がり始めた。

 Haverfield氏は、HPEがこれらのトレンドに対応するポートフォリオの拡大に、M&Aやパートナーエコシステムの活用を挙げた。直近では米国時間3月7日に、フラッシュストレージソリューションのNimble Storageの買収計画を発表したが、同氏は「4月末の買収完了を見込んでおり、詳細はまだ言えないが、ストレージにまつわる情報の分析や活用のサービスに大きく寄与するだろう」と語っている。

 Haverfield氏に続いて3PAR、バックアップソリューションの「StoterServe」、ハイパーコンバージドシステム「Synergy」の製品責任者からのアップデートが紹介された。

 3PARでは、新たにインラインでデータを高速に圧縮、重複排除する「Adaptive Data Reduction」機能やiSCI接続での遅延を40%改善する「Express Writes」機能が追加された。また、ストレージソフトウェアの全機能を安価に利用できるとするライセンス体系も導入され、同日から国内提供を開始している。

 StoterServeでは、データ保護管理ツールの「Recovery Manager Central」と3PARとの連携が強化され、バックアップデータをStoterServeと3PARとの間で柔軟に移動させることができる。SAP HANAやMicrosoft Hyper-Vも新たにサポートし、クラウドを含めたハイブリッド型のバックアップ/リカバリ環境の構築がより容易になるとのことだ。

 Synergyでは、1月に買収を発表したSimpliVityが今後のポイントになるとした。一例として、「HPE Hyper Converged 380」(SimpliVityのハイパーコンバージドシステム「Hyper Converged 380」)では、最小2ノードから最大16ノードへ柔軟にスケールアウトさせることができ、ウェブベースの管理コンソールを通じて仮想マシンの管理が簡素化されるといったメリットを挙げている。

 こうした戦略は、2~3年先のストレージ市場を見据えたものだが、HPEは2020年を目標に「The Machine」と呼ばれるメモリ主導型の新たなアーキテクチャによるコンピュータの開発を進める。Haverfield氏は、The Machineの実現によって将来的にコンピューティング環境が劇的な変化を迎えるとしつつ、The Machineを構成する要素技術を3PARやProLiantサーバなどへ率先して実装することで、既存のコンピューティング環境の向上も図る方針だと語った。

 下記は記者会見の資料スライド(一部)

Paul Haverfield氏

Paul Haverfield氏

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