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記事集:クラウドのネットワーク監視
IBM InterConnect

WatsonとIBM Cloudの導入事例を観察--IBM InterConnect - (page 2)

末岡洋子

2017-03-24 07:30

データから体験を改善してナンバーワンアプリに

 まさにそれを実感しているのが、Atariの「RollerCoaster Tycoon World Touch」を開発したカナダのスタジオNvizzio Creationsのエグゼクティブプロデューサー、Sylvain Constantin氏だ。RollerCoaster Tycoon World Touchはローラーコースターを指でデザインするなどテーマパークの構築と管理をシミュレーションするゲーム。iOSアプリストアで1位を獲得した人気ゲームだ。

「RollerCoaster Tycoon World Touch」
AtariがNvizzioと組んで作成した人気ゲームの最新版「RollerCoaster Tycoon World Touch」

 実は正式ローンチの前には、痛い学びがあった。NvizzioはRollerCoaster Tycoonを2016年11月に地域を限定してローンチしたが、すぐに問題にぶち当たったのだ。「導入が早すぎてプレイヤーを失っていた。プレイヤーは圧倒され、ついてきていなかった」とConstantin氏。そこで、チュートリアルの速度を落としてプレイヤーの学びを支援した。その結果、主要な指標であるプレイヤーリテンションを大きく改善できたという。

 Constantin氏は、「以前なら問題が起きても推測するしかなかった。だがデバイスはコネクトされており、データはたくさんある」という。データを見ながらゲームを調整することで、プレイヤー1人あたりの売り上げは10倍に。満を持してのグローバルローンチの後も順調で、今後は上位をキープするためにデータを見ながら改善を重ねていくという。

 「例えばWatson APIと自然言語処理により、ユーザーのレビューやコメントを見て問題が深刻になる前に行動をとることができる」という。それだけでなく、プレイヤーの行動を予測することもできる。またクラウドにより、ゲームの人気に合わせてリソースを柔軟に拡張できた点も評価した。

Sylvain Constantin氏
Nvizzioのエグゼクティブプロデューサー、Sylvain Constantin氏。かつては問題が起きても”ゲスワーク(推測)”で対応するしかなったが、今はあらゆるデータがあると語る

IoTとWatsonで実現ーー空間と人間の健康を科学するDelos

 IBMがWatsonの応用分野として注力するIoTでは、健康と不動産業を組み合わせるというユニークなベンチャーDelosから、COOのPeter Scialla氏がステージに立った。

Peter Scialla氏
DelosのCOO、Peter Scialla氏
Delos
Delosは、センサーからのデータ、デバイスデータなど多様なデータを使って建物と人間の健康の関係を調べている

 Delosのミッションは、オフィスや学校などの空間を、健康や生産性改善のためにリエンジニアする、というものだ。「人は90%の時間を屋内で過ごしている」とScialla氏は言う。

 空気の質を高めると生産性はどのぐらい上がるのか? 学校で窓やグリーンが多くなると生徒のテストの結果は上がるのか?

 人工の光がパフォーマンスに与える影響はどのようなものか?――医師、科学者、建築家らとともに、医療科学と建築科学を合体させ、調査結果を空間の構築や設計、運用に取り込んだ。同社はまた2年前に、中にいる人の健康とウェルネスにフォーカスした建物の基準として「WELL Building Standard(WELL)」も考案、28カ国で採用されているとのことだ。

 Delosは2015年、人間の健康と空間の関係を調べるためにWell Living Labを立ち上げ、Mayo Clinicと協業し、多数のIoTデバイスとセンサのデータを収集、IBM CloudとWatsonを利用して洞察を得た。なおIBMはWell Living LabのFounding Alliance Memberも務めており、Delosが空間における人間の健康を改善するための革新的なソリューション開発を支援している。

 IBMと手を組んだ理由として、「IBMのクラウドは、単にコンピュート、ストレージを利用できるだけではなく、分析で大きな支援が得られる。膨大な量のデータから洞察を得られる」とScialla氏。IBM Bulemixを使ってAPIレベルで統合し、ミッションクリティカルシステムをホスティングしていると続ける。Delosはまた、デザインシンキングなどを活用しながら顧客のビジネストランスフォーメーション加速を支援するコンサルティングサービスIBM Bluemix Garageを利用した例でもある。

 Scialla氏は今後について、「Watson APIを利用してさらなるコグニティブのバリューを得たい」と考えている。例えば、WatsonのTone Analyzerを利用して、健康と環境の関係をさらに深く理解するなどのことを計画しているようだ。

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