NECは3月24日、インターポール加盟国警察を対象に実施されたサイバー犯罪捜査演習で、シナリオ作成や解析対象となるデータの開発などで協力したと発表した。同社は2012年にインターポールとサイバーセキュリティ対策で提携している。
この演習は、インターポールが主催した「The INTERPOL Digital Security Challenge」。4日間のプログラムには、約20カ国のサイバー犯罪捜査担当官や科学捜査の専門家が参加した。架空のサイバー犯罪シナリオに基づいて、サイバー空間に存在する証拠の解析作業から犯人特定までの一連のプロセスを体験する「サイバー犯罪捜査演習」や、民間企業各社がサイバー犯罪捜査で活用可能な技術を紹介する「トレーニングセッション」が行われた。
NECが作成協力した演習シナリオは、子会社のサイバーディフェンス研究所とともに作られた。データの開発では、マルウェア感染端末や容疑者の携帯電話といった演習用解析環境を提供し、演習当日の運営なども支援した。
また、トレーニングセッションでは、同社の最先端の顔認証技術に関する講演と実践演習も実施した。顔認証技術を活用したソフトウェア「NeoFace Watch」を用いることで、防犯カメラ映像からリアルタイムで、顔が特定できている人物を捜索できる。さらに、顔認証技術を活用した人工知能(AI)ソフト「NeoFace Image data mining」を用いることで、犯行現場付近に頻出する人物や複数の犯行現場に現れている人物を特定するなど、容疑者の絞り込み、捜査の効率化が可能になる。