シスコシステムズは3月28日、中小企業向けに低価格化と日本語化を前面に打ち出したネットワーク機器ブランド「Cisco Start」の強化を発表した。アジア全域への本格展開に向けてブランドロゴを刷新したほか、手続きを簡略化した新たなリース契約「Cisco Start easylease」を開始した。製品面ではラックマウント型PCサーバや無線LANアクセスポイントの新モデルを加えた。
Cisco Startは、予算やIT管理者が少ない社員100人以下の企業向けに展開するネットワーク機器のブランドだ。サポートを含めた製品価格の安さと日本語化された設定画面が特徴で、10万円を切る低価格帯のルータ、スイッチ、無線LANアクセスポイントなどを提供している。Cisco Startの販売パートナーは、2015年10月時点の60社から2017年3月現在で4100社に増えた。
今回の強化ではロゴを刷新した。Cisco Startが日本だけでなくアジア全域に広がっているとし、米国本社の協力で公式ロゴをデザインした。同社のコーポレートロゴと同様に、「橋」をモチーフにしたデザインで、「より身近に感じてもらえるようになる」(同社)としている。
Cisco Startのロゴ
Cisco Start easyleaseは、新しいファイナンシャルリース商品となる。これまで個別にリース契約を交わさなければならなかったソフトウェア/ハードウェア/クラウドサービスの契約を一本化できるのが特徴。契約手続きや与信審査が簡素化され、ユーザーがより利用しやすくなった。
ソフトウェア、ハードウェア、クラウドサービスの契約を一本化できるリース契約「Cisco Start easylease」を用意した
Cisco UCSをCisco Startブランドで提供
Cisco Startブランドの製品ラインアップも拡充された。新たに販売する製品の1つが、ラックマウント型PCサーバの「Cisco UCS Cシリーズ」。Cisco UCSをCisco Startブランドで提供するのは今回が初となる。Cisco Startブランドによる市場推定価格は25万円台で、中小企業用途に合わせて容量を抑えたメモリとディスクをパッケージ化した。パッケージ化によって価格も抑えたとしている。
ラックマウント型PCサーバ「Cisco UCS Cシリーズ」をCisco Startブランドで提供する。中小企業用途に合わせてメモリやディスクの容量を抑えてパッケージ化した。パッケージ製品とすることで価格を抑えた
もう1つの製品は、無線LANアクセスポイントの「Cisco Aironet1815シリーズ」。既存のCisco Aironet1800シリーズに追加した新モデルで、最も安価な「1815iスタンダードモデル」の市場推定価格は4万円台前半から中盤になる。スループットは上位モデル「Cisco Aironet1832」と同じながら、スペックはやや抑えられた。Cisco Aironet1832は3ストリーム(3多重化)だが、Cisco Aironet1815シリーズでは2ストリームとなっている。