世代の違いによって普段から使うコミュニケーションが異なるのは、周りを見回すと一目瞭然だ。年配層はメールを多用し、若者はビデオチャットやIMを仕事の場面でも利用するように、世代ごとに慣れ親しむツールが異なる。この背景を踏まえてMicrosoftは2016年11月にチャットベースの作業空間として「Microsoft Teams」をOffice 365に追加することを発表。この時点では日本語を含む181カ国18言語に対応するプレビュー版を公開していたが、3月15日にGA(一般提供版)を迎えた。
日本マイクロソフトの担当者は「長文メールでは返事が追いつかない内容に対しても、簡単な応答で対応できる」(日本マイクロソフト マーケティング&オペレーション部門 Officeマーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャー 吉田馨一氏)とアピールしている。
日本マイクロソフト マーケティング&オペレーション部門 Officeマーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャー 吉田馨一氏
Microsoft Teamsは、Office 365 Business Essentials/Business Premium/Enterprise E1/E3/E5プランであれば、Officeポータルのアプリケーション一覧に並び、そのまま社内で利用できるチャットシステムである。Office 365には共同作業を行う「Office 365グループ」が存在するものの、こちらは共有メールや予定管理などをメールベースで一括作成するソリューションのため、Microsoft Teamsとアプローチは異なる。
また、社内SNSとして「Yammer」も存在するが、日本マイクロソフトは「利用シナリオに合わせたツールを選択してほしい。例えばYammerは全社員などを対象にした広範囲への発信やコミュニケーション。Teamsはプロジェクト単位で利用するのが最適」(吉田氏)と述べている。
Office 365と連携するコミュニケーションツール群
Microsoft Teamsは管理者が作成したチームにメンバーを招待し、各チャネルではチャットによるコミュニケーションを行うことが可能だ。参加メンバーはAD(Active Directory)と連携し、組織図の確認やOutlookによるメールやSkype音声通話など他のサービスと連携したアクションも選択できる。連携するアプリケーションはGAの時点で20強。プロジェクトチームの用途に応じてExcelやPower BIなどを追加し、現状分析も行える。
また、Twitterを連携させてプロジェクトに関係するキーワードを登録しておけば、自動的にキーワードを拾い上げてプロジェクトに対する反応を情報共有することも可能。これらはAPIベースで組み込まれ、今後も対応するアプリケーションを増やしていくという。クライアントはウェブベースやデスクトップアプリ、iOS/Android/Windows 10 Mobile向けアプリケーションも用意している。
Microsoft Teamsのクライアント画面。左側に参加しているチームが並び、右側には各チャネルのチャット内容が表示される。絵文字や画像スタンプ、ファイル共有も利用可能
チャネル内ではアプリケーションと連携したタブを自由に追加できる