IDC Japanは4月10日、国内IoT市場の現状と将来予測を発表した。成長著しい同市場だが、IDCではテクノロジ別に成長率や要因をみていくことが重要だとし、今回はサービスとハードウェアについて具体的に言及した。
まず2016年のIoT市場全体の支出額は5兆270円で、2021年の市場規模を約11兆円と予想する。年間平均成長率(CAGR)は17.0%を見込み、テクノロジ別ではサービスが21.8%、ソフトウェアが21.7%、コネクティビティが12.3%、ハードウェアが10.8%になるとしている。

国内IoT市場のテクノロジ別支出額の実績と推移
国内IoT市場全体の調査を担当するシニアマーケットアナリストの鳥巣悠太氏によれば、同社ではベンダーやユーザー企業など20業種・49のユースケースから市場規模を算出し、これを12種類のテクノロジ別に分析している。今回は将来の市場拡大を読み解く鍵だとして、最もCAGRが高いサービス分野と、これまでM2M(Machine to Machine)としてIoT市場を大きく構成していたハードウェア分野を取り上げた。
同氏は、従来のIoT市場ではユーザー企業が直接的にベンダーからIoTのリソースを調達し、業務プロセスや生産品質の改善といった社内用途でIoTを利用してきた。今後はユーザー企業だけなく、IoTサービスプロバイダーの本格参入によって提供される「IoT Enabledソリューション」が市場拡大の牽引役になると解説する。

IoTでは例えば、建設機器の遠隔モニタリングによる保守サービスや、車両の運転状況に応じた自動車保険料の算出といった新しいユースケースが市場を拡大させていくという