Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、160Tバイトのメモリを搭載したプロトタイプシステムを発表した。
このプロトタイプは、ビッグデータを扱うワークロードをターゲットとしたアーキテクチャである、メモリ主導型コンピューティングの研究プロジェクト「The Machine」の成果として、米国時間5月16日に発表された。メモリ主導型コンピューティングでは、プロセッサではなくメモリがアーキテクチャの中心になっている。その目標は、メモリ、ストレージ、プロセッサの間にある非効率性をなくし、問題をより速く解決できるようにすることだ。

製品化はまだ先のことだが、このメモリ主導型コンピュータの発表は、HPEのメモリ主導型コンピューティングの研究開発が進展していることを示すものだ。同社はムーアの法則が限界に達するのを見越して、新たなコンピューティングアーキテクチャを模索している。IoT(モノのインターネット)や機械学習、人工知能(AI)は、今後新たなコンピューティングモデルを必要とする可能性が高い。
2016年に同社がメモリ主導型システムのデモを行った際には、最高経営責任者(CEO)のMeg Whitman氏が、The Machineプロジェクトは同社の成長見通しに不可欠な要素だと発言している。
HPEはメモリ主導型コンピューティングがエンタープライズアプリケーションで盛んに利用されるようになることを期待している。

このプロトタイプの仕様は、次のようなものだ。
- 160Tバイトのメモリを、高パフォーマンスのファブリック用プロトコルを通じて相互接続された40の物理ノード間で共有。
- ARM系のCavium製プロセッサ「ThunderX2」で動作するLinuxベースのOSを使用。
- 新しいフォトニクスモジュール「X1」を含むフォトニクスおよび光通信リンク。
- 巨大な永続メモリを活用するためのソフトウェアプログラミングツール。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。