Grand View Researchが発表した報告書によると、世界の産業用IoT(IIoT)市場は2016年の時点で1090億ドル規模だったが、2025年までに9336億2000万ドル規模に到達する見通しだという。
報告書によると、IoTはコストの削減、生産性やプロセス自動化、市場投入時間の改善を実現することから、産業用IoTモデルの導入が世界中で拡大しているという。リアルタイムの情報へのアクセスを容易にするプロセッサやセンサなどのテクノロジが安価かつ容易に入手できるようになったことも、IoT普及の鍵となっている。報告書によると、メーカー各社は現在、産業用IoTソリューションの利点を生かして、制御室の統合、資産の追跡、予知保全を通してのアナリティクス機能の向上を行っているという。
2016年は、General ElectricとIBM、Cisco、Siemens、Intelなどが世界市場シェアの大部分を占めたと報告書は述べている。
「運用効率の向上に対する拡大し続けるニーズと、業界大手企業の間の強力な提携の組み合わせが、市場をけん引していくとみられる。デジタルと人間が統合された労働力に向かって社会が進化していく中で、インダストリアルインターネットは今後8年間にわたって、大きな成長の機会があると考えられる」(報告書)
IoT技術の実装には、エコシステムの至る所でマネージド産業用IoTサービスの統合を必要としており、マネージド産業用IoTサービス分野も今後8年間にわたって成長する見通しだ、と報告書は指摘している。
「IIoTは、世界中の企業で従業員の安全性向上、運用コスト削減、生産性向上を支援している。製品を売ることから測定可能な結果の提供へとシフトすることによって、自らの市場に破壊的変革を起こし、新たな収益源を創出するために、企業はますます世界中で新たな製品とサービスのハイブリッドを確立するようになっている」(報告書)
2016年は、北米が産業用IoT市場で最大のシェアを獲得したが、2025年までに、中国を中心とするアジア太平洋地域が北米を抜く見通しだ。
しかし、産業用IoTの成長を制限する可能性のある要因もいくつかある、と報告書は指摘した。それには、定義されたプロトコルや標準化の不足、レガシー機器の使用が含まれるという。報告書によると、セキュリティ面での懸念、特にビッグデータに関連する懸念が市場の成長を制限すると想定されているという。
3つの要点
- Grand View Researchの最新の報告書によると、世界IIoT市場は2016年の時点で1090億ドル規模だったが、2025年までに9336億2000万ドル規模に到達する見通しだという。
- IIoTはメーカーのコストの削減、生産性やプロセス自動化、市場投入時間の改善を実現できると報告書は指摘している。
- 報告書によると、IIoTの普及を制限する要因には、サイバーセキュリティ問題、標準化の不足、レガシー機器などがあるという。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。