米Microsoftは5月23日、深層学習(ディープラーニング)技術を手掛けるPreferred Networks(PFN)と同技術を利用するソリューション分野で戦略的に協業していくと発表した。人工知能(AI)やディープラーニングの実社会での活用を推進するとしている。
PFNは、AI関連技術の研究開発やビジネスへの活用を展開する企業で、2014年に設立された。トヨタ自動車やファナック、国立がん研究センターらとも協業している。
Microsoftとの協業では、パブリッククラウドサービスのMicrosoft AzureとPFNのディープラーニング技術を連携させ、企業の抱えるビジネス課題を解決するためのソリューションの提供を目指す。
具体的には、2017年夏にAzureとPFNが開発したニューラルネットワークを実装するためのライブラリ「Chainer」の連携を図り、「Chainer/ChainerMN(Multi Node)」をワンクリック操作でAzureのIaaS上に展開できる「Azure Template」を提供するほか、データサイエンスの仮想マシンへのChainerの搭載、「Azure Batch Services」「SQL Server」およびWindowsでのChainer対応を予定する。
また、Azureのデータ収集分析サービスとPFNのディープラーニング基盤「Deep Intelligence in-Motion」を組み合わせ、2017年中にニューラルネットワークを容易に構築できるようにするための、特定のワークロードや業種に向けたソリューションを展開していく。
この他に、両者で学生やエンジニア、研究者向けのデータサイエンス人材の育成プログラムの実施や、提供予定のソリューション利用による事例をもとにした企業向けのワークショップ開催なども予定している。
今回の協業では日本マイクロソフトも全面的に支援していくという。