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すべてのMS製品に"知性"を組み込む--「de:code 2017」基調講演

阿久津良和

2017-05-25 08:52

 日本マイクロソフトは2017年5月23日から2日間、都内で開発者/IT技術者向けイベント「de:code 2017」を開催した。同社はIntelligent CloudとIntelligent Edgeを次の中核に置き、「すべての製品に"知性"を組み込んでいく」と今後の方向性を強く示した。

 最初に登壇した日本マイクロソフト 執行役員 デベロッパーエバンジェリズム統括本部長 伊藤かつら氏は、自動運転車1台に対して100GB/秒ものデータを生成する現状や、2020年には250億台ものIoTデバイスが世界中で日々データ生成や処理を行う未来を指して、「自社基盤・製品上で(開発者が)どんな価値を生み出し、社会にインパクトを与えるのかが重要」(伊藤氏)と語る。その上で開発者の目前に社会を変えるチャンスがあると参加者を鼓舞した。


日本マイクロソフト 執行役員 デベロッパーエバンジェリズム統括本部長 伊藤かつら氏

 今回の基調講演は、Microsoftの開発者向けカンファレンスである「Build 2017」で発表した内容をベースに話が進み、登壇者も米国本社役員が中心になって進行した印象を受ける。Microsoft CVP&Chief Evangelist, Steven Guggenheimer氏は、Build 2017で発表した、5億台のWindows 10デバイス、1億人の月間Office 365アクティブユーザー、1.4億人月間Cortanaアクティブユーザー、1200万社のAzure Active Directory利用組織、フォーチューン500に名を連ねる企業の90%がMicrosoftクラウドを利用しているなど、多くのアップデートを発表。

 これまでの「モバイルファースト、クラウドファースト」から「インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ」というコンセプトを掲げた。「時代によってアプリケーションから得る経験は変化するが、中心になるのはAI(人工知能)」(Guggenheimer氏)である。同社は今後「クラウド」「AIの技術革新」「Microsoft Graph」と3分野に注力し、特にMicrosoft GraphやLinkedInから得るデータを活用していくと説明した。


Microsoft CVP&Chief Evangelist, Steven Guggenheimer氏

 AIの技術革新から得た具体的な成果として、画像認識はこれまでの5倍にあたる152レイヤーまで拡大し、Microsoftの説明によれば画像認識精度が劇的に改善。音声認識分野でも単語誤認識率(WER)が5.8%まで低下(2016年9月の発表では6.3%だった)した。同社のCognitive Services(認知サービス)も動画のメタデータを自動作成する「Video Indexer」や、新しいサービスを早期提供する「Cognitive Services Labs」を加えてサービス数は27種類まで拡大している。

 本セクションでは、Custom Vision Service(プレビュー版)を使用し、スマートフォンで撮影した葉の名称を調べるデモンストレーションを披露。内部的にはコンピューターが学習モデルに最適なデータを自動的に選択し、学習を繰り返すことで予測性能が向上していくという。

 MicrosoftはCustom Vision Serviceを利用することで自社の独自サービスが作成可能とアピールした。他方でチャットボットをさまざまクライアントに合わせたUIデザインを行うのは得策ではないとして、新たに発表した「Adaptive Cards」の利用をうながした。Adaptive Cardsは単一基盤でSlackやSkype、Windows 10の通知など場面に合わせて選択できる。


デモンストレーションの結果は「かえで(Japanese Maple)」の葉であることを正しく認識した。担当したのはMicrosoft Director Technical Evangelist, Drew Robbins氏

 今回Preferred NetworksのMicrosoftの戦略的協業を結んだことも発表した。実社会でAIや深層学習の活用を推進するため、深層学習フレームワーク「Chainer」「Chainer MN(Multi Node)」を容易にAzure IaaSへ展開するテンプレートの提供や、事前に深層学習ライブラリなどをインストールした「Azure Data Science Virtual Machine」、Azure Batch ServicesやSQL ServerのChainer対応が行われる。また、深層学習プラットフォーム「DIMo(Deep Intelligence in-Motion)」とMicrosoft Azureのデータ収集分析サービスを組み合わせ、特定業種向けソリューションを2017年中に提供することを明らかにした。

 Preferred Networksは「深層学習技術者が足りない。AIを一過性の流行にしないため、Microsoftと協力して技術を広める活動を行う」(Preferred Networks 代表取締役社長 最高経営責任者 西川徹氏)と述べている


戦略的協業について記者会見を行ったGuggenheimer氏と、Preferred Networks 代表取締役社長 最高経営責任者 西川徹氏

ChainerやDIMoとMicrosoftの関係性を示したスライド

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