Androidマルウェア「Judy」、数千万台に感染の可能性--Check Point

Danny Palmer (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-05-31 11:55

 韓国のモバイルアプリ開発会社が作成した41種類のアプリに、新種のAndroid用自動クリック型アドウェア(広告を勝手に表示するマルウェア)「Judy」が発見された。この名前は、発見されたアプリの多くが、「Judy」と呼ばれるキャラクターが登場する子ども向けのゲームであることから付けられた。これらのアプリは、これまでに最大で1850万回ダウンロードされているという。一部のアプリはリリースから数年経っており、定期的にアップデートされていた。

 Check Point Softwareのサイバーセキュリティ研究者によって発見されたこのマルウェアは、デバイスで広告に対する不正なクリックを発生させるもので、広告収入が犯人の収益になる。

 他の開発者が作成した、Google Playで提供されているアプリにも同じマルウェアが発見されており、その一部は2016年4月からアップデートされていない。これは、悪質なコードが1年以上にわたってストアからダウンロード可能だったことを意味している。この2つのマルウェアキャンペーンの関係は不明だが、開発者間でコードをやりとりしていた可能性もあるという。

 2つ目のグループのアプリにいつから悪質なコードが存在していたのかは明らかになっていないが、これらは最大1800万人にダウンロードされているという。

PlayストアからダウンロードできたJudyが組み込まれたアプリの例
PlayストアからダウンロードできたJudyが組み込まれたアプリの例
提供:Check Point

 Judyが組み込まれたアプリは、Google Playの保護システムである「Bouncer」をバイパスする仕組みを持っている。これは、Playストアへの侵入に成功した他の形態のマルウェア(「FalseGuide」や「Skinner」など)と同じ手法を使っているようだ。

 犯人が上げた収益を推測できる数字はないが、研究者らは、このマルウェアが広く普及していることから、かなりの金額になる可能性が高いと述べている。

 これらの多くは、韓国企業Kiniwini(Playストアでは「ENISTUDIO」という名前で登録されている)によって開発されたものだ。同社は、「Judy」と呼ばれるキャラクターが、料理やペットの世話など、さまざまな作業を行うゲームを多く開発しており、AndroidとiOSの両方でリリースしている。

 これらのアプリは、この不正行為に加え、ユーザーがクリックする以外に選択肢のない広告を表示することがある。一部のユーザーが、レビューにこの挙動は不審だとコメントしているにも関わらず、これらのアプリはユーザーから高い評価を受けている。

PlayストアでのレビューでJudyアプリの不審な挙動についてコメントされている
PlayストアでのレビューでJudyアプリの不審な挙動についてコメントされている
提供:Check Point

 Check PointはGoogleにこのアドウェアとアプリに関する情報を通知し、これらのアプリはすでにストアから削除されている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]