しかし、PCIeとPCIeスイッチが状況を一変させつつある。PCIeはコンポーザブルで、レーンを追加することができ、高速で、遅延も小さく、あらゆるサーバに組み込まれている。そして、使用する可能性のある、あらゆるデバイスで利用できる。ドライバをインストールする必要もない。
現時点で出回っているPCIeスイッチは少ないが、LiqidはXeonプロセッサを搭載した、Liquid製のソフトウェアで動作するPCIeスイッチを1つ持っている。このスイッチはラックの半分幅のサイズで、PCIeのポートを24ポート備えているため、1Uの空間に2重化された48ポートのスイッチを収めることができる。
性能
十分なIOPSが得られるフラッシュストレージの世界では、性能指標としてもっとも重要なのは遅延だ。Liqidによれば、このスイッチの遅延は150ナノ秒であるため、ローカルのPCIe入出力をスイッチに繋いだ場合、遅延は150ナノ秒増えるだけで済む。
このスイッチは、最大96Gバイト/秒の帯域を持つGen3 PCIeスイッチであるため、帯域も十分だ。Liqidは、スケールアウトとスケールアップを実現するための、いくつかのリファレンス設計を持っているという。
新しいストレージの用途
なぜLiqidはスイッチを作る必要があったのだろうか。そしてなぜ、CiscoやBrocadeはPCIeスイッチを作っていないのだろうか。実はこれまで、シリコンバレーでは、PCIeをスケーラブルなインターコネクトだと見なす考え方は盲点だった(同じことがThunderboltにも言えるのだが、これはまた別の話だ)。
しかし重要なのは、PCIeが普遍的に利用されており、遅延が少なく、広帯域であるため、何にでも利用できるファブリックになり得るということだ。またPCIeは光ファイバで使用することもでき、この場合の接続可能距離は100mを超える。
IntelもRSDの仕様を改訂し、PCIeファブリックに対応した。もし流行の波に乗りたいなら、RSD、Synergy、Liqidについて調べ、これらの技術でデータセンターをどれだけ効率化できるかを、検討してみるといいだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。