海外コメンタリー

データセンターを変える次世代技術「コンポーザブル・インフラ」とは - (page 2)

Robin Harris (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-06-05 06:30

 しかし、PCIeとPCIeスイッチが状況を一変させつつある。PCIeはコンポーザブルで、レーンを追加することができ、高速で、遅延も小さく、あらゆるサーバに組み込まれている。そして、使用する可能性のある、あらゆるデバイスで利用できる。ドライバをインストールする必要もない。

 現時点で出回っているPCIeスイッチは少ないが、LiqidはXeonプロセッサを搭載した、Liquid製のソフトウェアで動作するPCIeスイッチを1つ持っている。このスイッチはラックの半分幅のサイズで、PCIeのポートを24ポート備えているため、1Uの空間に2重化された48ポートのスイッチを収めることができる。

性能

 十分なIOPSが得られるフラッシュストレージの世界では、性能指標としてもっとも重要なのは遅延だ。Liqidによれば、このスイッチの遅延は150ナノ秒であるため、ローカルのPCIe入出力をスイッチに繋いだ場合、遅延は150ナノ秒増えるだけで済む。

 このスイッチは、最大96Gバイト/秒の帯域を持つGen3 PCIeスイッチであるため、帯域も十分だ。Liqidは、スケールアウトとスケールアップを実現するための、いくつかのリファレンス設計を持っているという。

新しいストレージの用途

 なぜLiqidはスイッチを作る必要があったのだろうか。そしてなぜ、CiscoやBrocadeはPCIeスイッチを作っていないのだろうか。実はこれまで、シリコンバレーでは、PCIeをスケーラブルなインターコネクトだと見なす考え方は盲点だった(同じことがThunderboltにも言えるのだが、これはまた別の話だ)。

 しかし重要なのは、PCIeが普遍的に利用されており、遅延が少なく、広帯域であるため、何にでも利用できるファブリックになり得るということだ。またPCIeは光ファイバで使用することもでき、この場合の接続可能距離は100mを超える。

 IntelもRSDの仕様を改訂し、PCIeファブリックに対応した。もし流行の波に乗りたいなら、RSD、Synergy、Liqidについて調べ、これらの技術でデータセンターをどれだけ効率化できるかを、検討してみるといいだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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