2015年11月に再出発したHewlett Packard Enterprise(HPE)が最初に打ち上げたのが「HPE Synergy」、コンポーザブルアーキテクチャを具現化したソリューションだ。
2016年のエンタープライズITで注目のキーワードとなりつつある“コンポーザブル”だが、パブリッククラウドから撤退したHPEにとって、ハイブリッドクラウド時代をリードするインフラベンダーとして存在感を見せていくために重要な技術となりそうだ。
HPEコンバージド・データセンター・インフラストラクチャ ゼネラルマネージャ兼バイスプレジデントのNeil MacDonald氏
HPEでコンバージド・データセンター・インフラストラクチャ ゼネラルマネージャ兼バイスプレジデントとして、ブレードとSynergy事業を率いるNeil MacDonald氏は「企業は、既存のITと新しいITをどう使い分けていくかという課題を突きつけられている」と語る。
クラウドの時代とはいえ、企業の多くが既存のIT資産を抱えており、すぐにはクラウドに動かせない。あるいはクラウドには動かしたくないものもある。これまでのITに対するニーズも継続しており、これを支援しつつ、成長のエンジンとして、アプリとサービスを高速に提供し、変更・管理できる新しいITも展開するーーこれへのアプローチがコンポーザブルアーキテクチャだ。
ITインフラのアーキテクチャの変遷からみると、コンポーザブルアーキテクチャは「進化系」となる。サーバ、ストレージとバラバラだったものが“コンバージド”では電源、冷却とハードウェアが融合し、ネットワーキングとコンピュート部分が組み合わさった。これによりITの運用はいくぶん簡素化され、インフラの実装も容易になった。
次の“ハイパーコンバージド”では、これに加えてストレージデバイスとストレージネットワーキング部分が組み合わさる。だが、課題は残る。「素晴らしいアプローチだが、100%仮想化された環境のみがメリットを得られる。だが、顧客の多くはそうではないのが現実だ」とMacDonald氏。
コンポーザブルはコンバージド、ハイパーコンバージドに続くITインフラの進化系となる
“コンポーザブルインフラ”はそれを受けてのものだ。仮想、ベアメタル、それにコンテナに対応するインフラで、ハードウェアとソフトウェアが密接に結びつく設計を持つ。