451 ResearchとCoreOSは、米国時間5月31日から6月1日にかけて開催された「CoreOS Fest」で、企業によるコンテナ採用が進んでいるという調査結果を明らかにした。これらの企業は、ハイブリッドクラウド配備の効率向上と、開発者の生産性向上を目的にしているという。さらに興味深いのは、調査回答者の71%が「Kubernetes」を利用していると答えた点だ。
451 Researchの主席アナリストであるJay Lyman氏は「企業はオンプレミスとハイブリッドクラウドをまたがる一貫性ある開発者向け配備モデルを作り上げるための方法を模索している」と述べるとともに、「開発者に力を与える必要性と、パブリッククラウドの利点を現実化するための支援、ミッションクリティカルなオンプレミスアプリケーションをサポートする必要性によって、企業内に複数のコンピューティング環境が生み出されている。混沌さが増すこのITインフラを管理するとともに、過去の過ちを繰り返さないために、企業はクラウドをまたがるアプリケーション配備に向けた単一のプラットフォームと、企業をまたがった運用上の効率向上の双方を実現できるコンテナソフトウェアに目を向けるようになっている」と述べた。
CoreOSの最高経営責任者(CEO)Alex Poivi氏は基調講演において、Kubernetesはマルチクラウドアーキテクチャ上でのコンテナ管理を可能にするため、こういったニーズに応えられると述べた。
「CoreOSにおけるわれわれの使命は、オープンソースによる最高のインフラ管理ソフトウェアを提供し、顧客をベンダーロックインのサイクルから解放することだ。そして企業は、パブリッククラウドかプライベートクラウドかに関係なくアプリケーションを配備できるような単一のプラットフォームを実現するためのコンテナテクノロジを求めている。『CoreOS Tectonic』は純粋にアップストリームのKubernetesを使用して、アプリケーションの実行場所と実行方法に関する究極の柔軟性を企業にもたらすとともに、企業全体の効率を向上させるためのインフラ側の運用性を提供する。興味深いことに、企業はプライベートクラウドやサービスとしてのプラットフォームといったその他のテクノロジを1歩先に推し進めるためにKubernetesを使用しているようだ」(Poivi氏)
Kubernetesがパブリッククラウドとプライベートクラウドの双方で動作するという能力は、ハイブリッドクラウドを採用する企業のワークロードに適したものとなっている。IT関係の意思決定者200名以上を対象とした調査では、企業の57%がホスティングされたサービスとしてのコンテナ(CaaS)と、オンプレミスのCaaSの組み合わせを採用しており、いずれか一方を採用していると答えた企業の数はほぼ同数だったという。またKubernetes採用の理由としては、優先順位にフォーカスするためのリソースの解放や、ハイブリッドクラウド/クロスクラウドのサポート、自社でのコンピュート機能の実現、ベンダーロックインの抑止が挙げられている。
この背景には、コンテナが開発チームと運用チームの両方から支持されているということがある。DevOpsのチームは、開発者の生産性を意識するようになっている。55%がこの点をコンテナを活用する理由としている。一方、インフラチームの37%は、コンテナを活用している理由を効率としている。もっとも興味深い結果の1つは、コンテナは開発者の分野であると見られているかもしれないが、調査では、開発者の2倍ものIT運用部門の人々がコンテナの主要なユーザーであることがわかった点だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。