フォーティネットが日本への投資拡大、新OSも--会長が言及

國谷武史 (編集部)

2017-07-10 10:39

 Fortinetは7月7日、都内で開催したユーザーカンファレンスで同社のセキュリティアプライアンスOSの最新版「FortiOS 5.6」を発表した。創業者で会長兼最高経営責任者(CEO)のKen Xie氏は、日本市場への投資を強化すると表明した。

 FortiOSは、統合脅威管理(UTM)アプライアンス「FortiGate」シリーズなどの同社製品のOS。最新版では、同社が新たに掲げている「セキュリティ ファブリック」というコンセプトを具現化する多数の機能が追加された。

「セキュリティ
「セキュリティ ファブリック」のコンセプトイメージ

 フォーティネットジャパン 技術本部長の宮西一範氏によれば、セキュリティ ファブリックは、自律的に動作しているUTMやファイアウォール、サンドボックス、SIEM、クライアントソフトなどが協調的にも動作することで、ネットワーク全体とネットワークに接続する各種システムにおけるセキュリティ状況の可視化と制御を実現するという。

 可視化の新機能では、FortiGateの管理者用GUIから数クリック操作で、脆弱性を抱えるシステムやクライアントPCを短時間で特定したり、問題のある部分を洗い出してセキュリティ状況をスコアリングで表示したりできる。

 制御の機能としては、例えば、スコアリングの内容をもとに管理者用GUIからシステムに対するソフトウェアアップデートを実施したり、複数のシステムに共通して発生している設定ミスを一括で修正したりできるようになっている。

最新版では管理者用GUIから問題の把握から対応までが効率的にできる''
最新版では管理者用GUIから問題の把握から対応までが効率的にできる

 宮西氏は、「セキュリティ分野では、セグメンテーションによってネットワークの内部をきめ細かく管理、制御するコンセプトが注目されている。これには脅威の封じ込めがしやすいなどのメリットはあるが、管理や制御はより煩雑になってしまう」と述べ、同社のコンセプトが一元的な管理と制御を図るものだと、違いを説明した。

Fortinet
Fortinet 会長兼CEOのKen Xie氏

 FortiOS 5.6は、既に一部ユーザーへ先行して提供しているが、日本のユーザー向けには8月上旬からマイナーアップデートの「FortiOS 5.6.1」を提供する。

 またXie氏は、同社にとって日本市場が米国に次ぐ売上規模にあり、2015年の日本のセキュリティ製品市場でベンダー売上額と出荷台数がともに首位(IDC調査)と話し、「IoTやクラウドの普及が進む日本市場にはさらなる成長機会があり、研究開発を含めて投資を今後も幅広く強化していく」と表明した。

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