サイバー攻撃の半分は「銀行狙い」:フォーティネット調査

NO BUDGET 2016年03月09日 07時30分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米国フォーティネットは3月2日、同社のセキュリティ診断プログラムで得たデータの調査結果を発表した。サイバー攻撃が多いのは金融と教育機関という。

 同社では今回、このCTAPを通じて米国のさまざまな分野におけるフォーティネットユーザーおよび見込み客数百社から数カ月に渡って収集したデータを基にレポートを発行した。数百万件のインシデントを分析した結果、未知のセキュリティ脅威が大規模に企業のネットワーク上を往来していることを特定したとのこと。

 この分析結果からは、3214万件を超える攻撃の試みが企業のネットワークを標的にしていることが分かり、すべての分野のあらゆる規模の企業が、悪意に満ちた脅威に常にさらされていることが明らかになったという。

 その脅威の主なタイプとして、マルウェア、ボットネット、およびアプリケーションの脆弱性に対する攻撃が挙げられている。例えばアプリケーションの脆弱性に対する攻撃では、上位10位で計35万7420件のネットワークへの不正侵入の試みが観測され、71件の異なるマルウェアやボットネット亜種がネットワーク上で検出された。

 今回の主要な分析対象分野はヘルスケア、金融サービス、教育、テクノロジ企業で、悪意のあるアクティビティのおよそ45%近くが銀行を狙ったもの、次いで27.4%が教育分野を標的にしていたという。

 さらに4カ月間で3214万件の攻撃の試みを分析した結果、攻撃者は自動化されたシステムやツールを速やかに作成し、攻撃に利用可能なネットワークの脆弱性を探っているという。

 Conficker、Nemucod、ZeroAccessなどマスコミの注目を集めるマルウェアが幾度も現れコンピュータへの感染を止めないのは、金銭的インセンティブが大きく働いているためで、Confickerで5230件、 Nemucod で4220件、ZeroAccess で3210件もの事例が企業ネットワークで発生しており、この種の脅威が今後も拡大することは明らかとした。

 アプリケーションの脆弱性を狙った攻撃の試みは、分析されたインシデントの上位10位で35万7420件に上っており、ハッカーは幅広い企業を継続的に狙い、企業データへの不正アクセスを試みている。

 また、ソーシャルメディアとマルチメディア ストリーミングがネットワークトラフィック全体の25.65%を占め、企業のシステムやデータは、ドライブバイダウンロードやソーシャルエンジニアリング、そして悪意のある広告による感染のリスクにさらされているという。最も利用されるFacebookはソーシャルメディアトラフィック全体の47.27%を占め、ストリーミングコンテンツではYouTubeが42.29%を占めるとした。

 広告コンテンツはネットワークトラフィックの19.1%を占めるが、サードパーティーの広告配信ネットワークが悪意のある広告の配信に利用されることから、マルウェアの感染源と見られている。

 システム管理者にとって常に問題となるのはアプリケーション制御であり、多くのピアツーピアトラフィック(主にBitTorrentやゲーム)により、悪意のあるコンテンツが、人気サイトからダウンロードされるアプリやファイルに便乗してネットワーク内に侵入しているという。自社ネットワークのアプリケーション制御ポリシーを作成する際には、この点に注意を払うべきとした。

 ネットワークへの侵入が成功した場合、莫大な利益をもたらす金融関連情報が入手できるために、悪意のあるアクティビティの44.6%が、銀行・金融機関を標的にしている。ハッカーは攻撃を迅速に展開し、巧妙なトロイの木馬型マルウェアや「land and expand」型攻撃戦略によって金融機関を攻撃し、ネットワークへの侵入と潜在を狙う。

 このレポートでは、教育機関を標的にする攻撃は27.4%を占め、金融サービスに次いでリスクにさらされています。教育機関に対する主な脅威はボットネットであり、感染における上位10位のうち7つがボットネットによるもので、そのほか、大々的に報道されたiOS のマルウェアXcodeGhostが、教育分野の脆弱性リスト上位10位に入っているとした。

 悪意のあるアクティビティ全般において、ヘルスケア分野を標的にした攻撃は10.6%と3位を占めており、ヘルスケア分野では、自動化されたエクスプロイトキットの出現が特徴的という。Flash、 Silverlight、Internet Explorerの脆弱性を狙い、ドライブバイダウンロードやウイルスが埋め込まれたホームページの閲覧を利用したシステムへの侵入が目立っているとした。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]