早稲田大学電子政府・自治体研究所は8月8日、「世界電子政府進捗度ランキング調査 2017」を発表した。今年の上位は、1位はシンガポール、2位がデンマーク、3位に米国、4位に日本が入った。日本は2016年の5位からランクアップしている。
このランキングは、世界の主要11大学と提携して調査されたもので65カ国が対象となっている。国際会議の開催や参加、さまざまな国際機関、関係国政府、研究所、大学などとの意見交換によって集大成された。協力関係機関には OECD、APEC、国連 ITU、EUが含まれる。
第13回世界電子政府進捗度ランキング調査 2017年総合ランキング
同研究所は、「電子政府」における日本の課題として、マイナンバーなどスマホの利活用システム化が遅れており、公的個人認証の高度化がカギになるとしている。また、日本の現状を紹介する英語による国際PRが主要国の中では圧倒的に不足しているとした。
今回のランキングで日本は、IT戦略本部をコアに各省にまたがる「政府 CIO」の分野では1位に、「電子政府振興」の分野では2位にランクされている。同研究所では、政府は東京オリンピックに向けてサイバーセキュリティ対策に全力投球しているが、世界最先端IT国家を目指す戦略達成にはまだ道は遠いとした。
トップ10カ国の10項目の電子政府指標ランキング
また、提言として、企業は紙ベースの申請を廃止して電子申請一本化を5年以内に実現することや、世界最先端IT国家を目指す戦略の中間評価を第3者機関に委ねて透明かつ公正、客観的に実施することを挙げている。さらに、IoT、AI 技術を電子政府システムにいち早く導入することや、電子政府モデルの国際展開、パッケージ輸出振興に力点を置くことも掲げている。