双日やアイ・サイナップ、京セラコミュニケ―ションシステム(KCCS)は8月28日、無線通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」の1つである「Sigfox」を活用した物流IoTサービスで協業すると発表した。
LPWAは低消費電力、km単位の長距離で通信できる無線通信技術。機器のバッテリ消費を抑えながら、データを収集する基地局まで電波を届けることができるため、IoT向けなどに有用だと注目されている。7月31日時点で、免許不要周波数帯の電波を利用するIEEE802.11ah(Wi-Fi HaLow)、LoRa、Wi-SUN、Sigfoxなどいくつかの規格があり、世界各地で実用化され始めている。
Sigfoxは、フランスのSigfox社が提供しているIoT用のネットワーク規格。日本ではKCCSが事業者となり、国内でのサービスを提供している。欧州を中心に現在32カ国に展開され、2018年までには60カ国でのサービス展開を目指している。
3社が開発するのは、物流サービスでの「安全性と効率性の両立」と「環境にやさしい」の構築、運用に加え、「グローバルサプライチェーンマネジメントの高度化」と「リアルタイムでシームレスな情報連携」に役立てるという。
電池交換が複数年不要なセンサデバイスの費用に加え、Sigfox通信費、クラウド利用料の全てを含んだサービスを低価格で利用できるようにする。これにより、サプライチェーン全体の効率化や集配効率の向上、積載量の変動(ムラ)の緩和を図り、物流の生産性向上に貢献すると説明している。
従来、通信料や電源、通信基盤(エリア)の制約により、データ収集、分析ができなかった物流アセットの位置、稼働状況を事業者間で連携できるようにし、貨物の発送情報や積載情報などを荷主やドライバー間でシェアするサービスに焦点を当てる。
サービス提供イメージ(出典:KCCS)
開発デバイスとして、GPSトラッカー、GPSトラッカー+温度センサ、Sigfox基地局測位トラッカー、ボタンデバイスなどが挙げられており、2018年度内の実用化を目指す。
双日がSigfoxを活用した物流IoTサービスを提供、アイ・サイナップがSigfoxに対応したセンサデバイスを開発し、KCCSはSigfox無線基地局を設置、ネットワークサービスを提供する。