日立システムズとトミス、イートラストは3月16日、無線通信LPWAを使った「マンホールの防犯・安全対策ソリューション」の実証実験で、1キロ以上の通信に成功したと発表した。実証実験は2016年12月から今年1月にかけて新潟市で行った。

新潟市秋葉区役所に設置された受信機(出典:日立システムズ)
3社は、2016年5月にIoTによる社会インフラのサポートサービス事業の強化を発表。その中でマンホールを保有している自治体や公益企業向けに、マンホールの防犯・安全対策ソリューションの提供を表明していた。
実証実験は、新潟市と市水道局の協力を得て、秋葉区役所の屋上に受信機を設置。また、マンホール側では内部にふたの開閉状態や有毒ガス発生の有無、水質や水量などの状態を把握するセンサと発信機を設置した。マンホールのふたが閉じられ、さらに積雪がある状態でLPWA(編集部注:当初、LPWAの特定の規格を用いていたという表現をしておりましたが、確認したところ正確を期すためLPWAであるという表現にとどめることにいたしました。お詫びして訂正いたします。)という規格を用いた通信が可能かを調べた。
通信システムを担当したイートラストによると、従前にセンサと受信機器間が500メートル程度で通信が可能であることを確認していたため、今回の実証では500メートルから100メートルずつ距離をのばしながら通信の可否を調べた。その結果、最長1キロ程度まで通信ができることが確認された。特に積雪状態では無線通信波の減衰などが懸念されるが、今回の実証ではそうした環境でも影響がないことが認められたとしている。

センサなどを設置したマンホール(出典:日立システムズ)
新潟市は、IoTを活用した市民サービスの向上に取り組む。日立システムズによれば、同市から実証フィールドの提供協力を得たことで、今回の実験が行われた。
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