デジタル教科書から得られる学習履歴データを活用--日本MS、東北大学らが実証研究

NO BUDGET

2017-10-02 18:49

 デジタル教科書を操作することで得られる学習履歴データを収集、分析、活用する実証研究が10月から開始される。東京都荒川区立第三峡田小学校と荒川区立第三中学校の2校が対象。東北大学、東京書籍、ACCESS、日本マイクロソフトの4社で進める。研究の成果は2018年4月をめどに発表する予定。

 デジタル教科書は一般的に、「音声による読み上げ」「動画による視覚的な説明」「文字や図版の拡大と縮小」など、理解のしやすさが特徴として挙げられる。ただ、それだけでなく、児童生徒が「いつ、どのページをめくったのか」「教科書・教材の、どの部分を注視したのか」「何を書き込んだのか」といった学習履歴データの取得も可能だ。

 こうした学習履歴データを利用することで、データに基づいた的確なフィードバック、学年や校種を越えた継続的な指導を可能にすると期待が高まっている。

 一方、一部の教育現場ではアダプティブラーニング(適応学習)システムとして、学習履歴データをもとに個々の学習者に最適化された学習方法を提供しようとする試みも進められている。しかしながら、デジタル教科書を用いた学習場面において、積極的に学習履歴を取得・蓄積し、その学習履歴を分析することで教員が学習履歴データを活用したきめ細やかな指導を行う取り組みにまでは至っていない。

 実証研究の監修は、東北大学 大学院情報科学研究科 堀田龍也教授が担当。コンテンツは東京書籍のデジタル教科書(プロトタイプ)を用い、ACCESSのデジタル教科書・教材用ビューア「Lentrance Reader(レントランス リーダー)」を機能拡張して利用する。取得したデータの蓄積と分析には、日本マイクロソフトのパブリッククラウド「Microsoft Azure」を活用する。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  3. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  4. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  5. セキュリティ

    急増する工場システムへのサイバー攻撃、現場の課題を解消し実効性あるOTセキュリティを実現するには

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]