10月のAndroid月例アップデート公開--「Dnsmasq」の脆弱性にも対応

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-10-04 11:41

 Googleは2017年10月の「Androidのセキュリティに関する公開情報」を発表した。

 また同社は今回から、セキュリティに関する公開情報の取り扱い方法を変更した。今回発表された公開情報では、従来どおり詳細情報を「部分的に対処したセキュリティパッチレベル」と「完全に対処したセキュリティパッチレベル」の2つに分けて記述しているが、今回から新たに、「Pixel」と「Nexus」のデバイス向けのバグ修正情報を公開する「Pixel/Nexus向け公開情報」の仕組みが導入された。

 この変更に伴い、10月のセキュリティ情報は従来のアップデートに比べ小規模になった。修正されたのは、Android OSに影響する脆弱性が8件、カーネルコンポーネントと、MediaTekおよびQualcommのハードウェアドライバに影響がある脆弱性が6件のみとなっている。

 これに対し9月のアップデートでは、部分的に対処したセキュリティパッチレベルでは、Androidの脆弱性34件を修正し、完全に対処したセキュリティパッチレベルでは、ハードウェアドライバやカーネル、その他のコンポーネントに関する数十件の脆弱性を修正していた。

 Androidに関する8件の脆弱性はパッチレベル2017-10-01で修正され、残り6件はパッチレベル2017-10-05で修正される。

 新たに設けられたPixel/Nexus向け公開情報には、Androidとその他のコンポーネントの脆弱性に関する詳細に加え、これらの機種にのみ提供される機能アップデートに関する情報が記述されている。

 Pixel/Nexus向けの公開情報には、AndroidのOSと、Broadcom、HTC、Huawei、Motorola、Qualcommのコンポーネントなどの脆弱性に関する詳細が38件含まれている。これらのアップデートはパッチレベル2017-10-05に収録されるという。今回のアップデートには機能アップデートは含まれていない。

 Androidデバイスメーカーは、Pixel/Nexus向けの公開情報に含まれている問題を修正することもできるが、これらの脆弱性に対処しなくても、デバイスは最新の状態だと宣言することができる。

 公開情報の「一般的な質問と回答」欄には、「Androidデバイスが最新のセキュリティパッチレベルになっていると宣言するためには、(Android向けの)セキュリティに関する公開情報に記述されたセキュリティ上の脆弱性を修正することが義務づけられている。セキュリティパッチレベルを宣言するには、デバイス/パートナー向けのセキュリティに関する公開情報に記述されている、追加的なセキュリティ上の脆弱性への対処は必要とされない」と説明されている。

 これはおそらく、Androidデバイスメーカーが、危険度の高い脆弱性に対するパッチを優先的に提供できるようにするための措置だろう。Pixel/Nexus向けの公開情報には、「重大」に分類される脆弱性は含まれていない。

 Googleは、Pixel/Nexus向けの公開情報を、サムスンやLGなどが提供する月例セキュリティ情報と同じ「デバイス/パートナー向け」の公開情報として位置づけている。

 またセキュリティパッチレベル2017-10-01では、Googleの多くのサービスや、Googleが開発したコンテナ管理ソフトウェアである「Kubernetes」に影響がある、「Dnsmasq」の脆弱性に対するパッチが提供されている。

Androidに10月の月例アップデート
提供:Stephen Shankland/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]