Googleは2017年10月の「Androidのセキュリティに関する公開情報」を発表した。
また同社は今回から、セキュリティに関する公開情報の取り扱い方法を変更した。今回発表された公開情報では、従来どおり詳細情報を「部分的に対処したセキュリティパッチレベル」と「完全に対処したセキュリティパッチレベル」の2つに分けて記述しているが、今回から新たに、「Pixel」と「Nexus」のデバイス向けのバグ修正情報を公開する「Pixel/Nexus向け公開情報」の仕組みが導入された。
この変更に伴い、10月のセキュリティ情報は従来のアップデートに比べ小規模になった。修正されたのは、Android OSに影響する脆弱性が8件、カーネルコンポーネントと、MediaTekおよびQualcommのハードウェアドライバに影響がある脆弱性が6件のみとなっている。
これに対し9月のアップデートでは、部分的に対処したセキュリティパッチレベルでは、Androidの脆弱性34件を修正し、完全に対処したセキュリティパッチレベルでは、ハードウェアドライバやカーネル、その他のコンポーネントに関する数十件の脆弱性を修正していた。
Androidに関する8件の脆弱性はパッチレベル2017-10-01で修正され、残り6件はパッチレベル2017-10-05で修正される。
新たに設けられたPixel/Nexus向け公開情報には、Androidとその他のコンポーネントの脆弱性に関する詳細に加え、これらの機種にのみ提供される機能アップデートに関する情報が記述されている。
Pixel/Nexus向けの公開情報には、AndroidのOSと、Broadcom、HTC、Huawei、Motorola、Qualcommのコンポーネントなどの脆弱性に関する詳細が38件含まれている。これらのアップデートはパッチレベル2017-10-05に収録されるという。今回のアップデートには機能アップデートは含まれていない。
Androidデバイスメーカーは、Pixel/Nexus向けの公開情報に含まれている問題を修正することもできるが、これらの脆弱性に対処しなくても、デバイスは最新の状態だと宣言することができる。
公開情報の「一般的な質問と回答」欄には、「Androidデバイスが最新のセキュリティパッチレベルになっていると宣言するためには、(Android向けの)セキュリティに関する公開情報に記述されたセキュリティ上の脆弱性を修正することが義務づけられている。セキュリティパッチレベルを宣言するには、デバイス/パートナー向けのセキュリティに関する公開情報に記述されている、追加的なセキュリティ上の脆弱性への対処は必要とされない」と説明されている。
これはおそらく、Androidデバイスメーカーが、危険度の高い脆弱性に対するパッチを優先的に提供できるようにするための措置だろう。Pixel/Nexus向けの公開情報には、「重大」に分類される脆弱性は含まれていない。
Googleは、Pixel/Nexus向けの公開情報を、サムスンやLGなどが提供する月例セキュリティ情報と同じ「デバイス/パートナー向け」の公開情報として位置づけている。
またセキュリティパッチレベル2017-10-01では、Googleの多くのサービスや、Googleが開発したコンテナ管理ソフトウェアである「Kubernetes」に影響がある、「Dnsmasq」の脆弱性に対するパッチが提供されている。
提供:Stephen Shankland/CNET
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。