IBMは米国時間11月1日、「IBM Cloud Private」の新バージョンを発表した。これは、オンプレミスのデータセンター内でクラウドネイティブなアプリケーションを実現するためのソフトウェアだ。
この製品は、ハイブリッドクラウドに対する同社の取り組みの一環だ。ベンダー各社はハイブリッドクラウドの配備に向けた取り組みとして、コンバージドインフラの開発や、顧客のデータセンター上でのマネージドクラウドサービスの実現、パートナーシップの締結に力を注いでいる。
例えば、GoogleはCisco Systemsと提携し、Amazon Web Services(AWS)はVMwareと提携している。
IBM Cloud Privateにより同社は、複数のクラウドやハードウェアシステム、そして既存のインフラとも連携できるコンテナを、オープンソースアプローチで実現することに注力している。
IBM Cloud Privateプラットフォームのディスティングイッシュト・エンジニアであるMichael Elder氏によると、同社は「顧客が現在プライベートデータセンターで行っていること」に注力しているという。
またElder氏は、IBM Cloud Privateがハイブリッドクラウド分野のプラットフォームレベルでより多くの役割を果たすとも述べている。IBM Cloud Privateは「VMware」をはじめとする複数のシステム上で稼働し、プライベートクラウドとパブリッククラウドをまたがった共通の運用モデルを提供する。
今回の発表には以下の内容が含まれている。
- IBM Cloud Privateは、「Kubernetes」のコンテナアーキテクチャに基づいて構築されており、「Docker」と「Cloud Foundry」をサポートしている。
- IBMは、同社の「WebSphere Liberty」と「Db2」「MQ」といったエンタープライズ向け中核アプリケーションをコンテナ向けに最適化したバージョンをローンチした。
- IBM Cloud Privateには、マルチクラウド管理の自動化や、セキュリティスキャニング、データの暗号化、アクセス管理といった機能が含まれている。
- 幅広いインフラ選択肢とともに、VMwareやCanonical、OpenStackの製品を用いた配備を可能にしている。
- 開発者向けのデータサービスやアナリティクスサービスを搭載している。
- 多くのDevOpsツールをサポートしている。
Cloud Private 2.1は一般提供が開始されており、DockerHubや公開フォーラム上ではコミュニティーエディションも用意されている。Elder氏は「われわれは大企業をターゲットにしている一方、より規模の小さい企業からの引き合いもある」と述べ、「ユニバーサルクラウドのミドルウェアは核心を突いたものだとわれわれは信じている」と続けている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。