調査

IoTセキュリティ市場、2021年まで年平均19.3%で成長--IDC予想

NO BUDGET

2017-11-10 07:00

 IDC Japanは、国内IoTセキュリティ製品市場の2017~2021年の予測を発表した。同市場の2016~2021年の年間平均成長率は19.3%で、2021年には市場規模が1250億円になると予測される。2016年の同市場規模は前年比27.5%増の518億円だった。

 IDCでは、同市場をハードウェア製品とソフトウェア製品の2つの製品セグメントに分類している。ハードウェア製品には、物理的なセキュリティアプライアンス製品やセンサ/モジュールやサーバ、ストレージなどに組み込まれているセキュリティハードウェアモジュールなどが含まれる。ソフトウェア製品は、IoTソリューションとネットワークのセキュリティ対策に向けたソフトウェア。アナリティクスソフトウェアやアプリケーションソフトウェア、そしてIoT向けプラットフォームなどが含まれるセキュリティソフトウェア(既存のセキュリティソフトウェアを含む)で構成される。


国内IoTセキュリティ市場 製品セグメント別 売上額予測、2015年〜2021年

 ハードウェア製品市場の2016年の市場規模は144億円。2016~2021年の年間平均成長率は15.1%で、2021年の市場規模は2016年の2倍の291億円に拡大すると予測している。またソフトウェア製品市場は、2016年の市場規模が374億円、2016~2021年の年間平均成長率が20.7%で、市場規模は2021年に2016年の2.6倍の960億円に拡大すると予測されている。

 IDCは、現在の同市場では製造工場内ネットワークや遠隔制御用ネットワークなどに対するネットワークセキュリティアプライアンス製品の導入が先行しているとし、こうした用途では今後、センサ/モジュールに組み込まれたセキュリティハードウェアモジュールの導入が進むとしている。

 またソフトウェア製品では、製造/資源分野において既存のオンプレミスで運用していたIoTの利用環境のクラウド移行や、新規にIoTクラウドプラットフォームを導入するケースが2017年から2019年にかけて進むとしている。一方、流通/サービス分野では、オムニチャネルオペレーション用途のIoTシステム上で、在庫管理の最適化や顧客購買行動分析を目的としたアナリティクスソフトウェアへの支出が加速することが見込まれるという。

 さらに個人消費者/クロスインダストリー分野では、2019年から2021年にかけて宅内のスマート家電やパーソナルロボットなど、スマートアプライアンス用途のIoT機器の制御を目的としたアプリケーションソフトウェアへの需要が高まるとしている。このようなIoTクラウドプラットフォームやアナリティクスソフトウェア、アプリケーションソフトウェアにセキュリティソフトウェアが組み込まれて展開され、市場が拡大していくという。

 またランサムウェア「WannaCry」の事件によって、インターネットに接続しているIoT機器や制御システムなどでのサイバー攻撃が現実的な脅威となったとし、IoT環境へのサイバーセキュリティ対策への導入が進展するとしている。

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