Amazon Web Services(AWS)とVMwareは、ハイブリッドクラウドサービス「VMware Cloud on AWS」を拡充し、顧客の災害復旧を支援する機能など複数の機能を追加する。
米国時間11月28日に「AWS re:Invent 2017」で行われた発表には、主に4つの分野における機能強化策が含まれていた。第1に、VMware Cloud on AWSはAWSの米国西部リージョンでしか提供されていなかったが、米国東部リージョンでも利用可能になった。第2に、本番環境のワークロードを大規模にサポートできるようになった。第3に、VMwareとAWSはそれらの本番環境のワークロードや、サイトの継続性を守るサービスを導入する。最後に、アプリケーションの移行の容易さとポータビリティを改善する機能が追加された。
VMwareの製品マーケティングディレクターであるIvan Oprencak氏は、これらの新機能について、「本番環境のワークロードの大規模な移行、実行、保護」に役立つよう設計されていると述べている。
VMware Cloud on AWSでは、顧客のワークロードを守るため、新たにVMwareの製品「Site Recovery」をベースにした「サービスとしての災害復旧」が提供される。利用モデルは仮想マシン単位になっており、顧客は保護サービスを利用するVMを選択でき、課金もVM単位で行われる。災害が発生した場合、それらのVMで実行されているアプリケーションはVMware Cloud on AWSに移される。また、必要に応じてキャパシティや性能を拡張することも可能だ。顧客が特定のAWSリージョンのすべてのアベイラビリティゾーンを使用している場合、この機能を使ってアベイラビリティゾーンの障害に対応することもできる。
さらにVMwareは、大規模なアプリケーションの移行を支援するため、VMware Cloud on AWSで「Hybrid Cloud Extension」を提供する。このサービスは、VMworldで同社のすべてのクラウドプロバイダー向けに発表されたサービスだ。現時点では、プレビューモードでの提供が開始されている。ハイブリッドアプリケーションを使用している顧客にとって、このサービスはセキュリティと高いパフォーマンスの確保に役立つ。
それに加え、VMwareの「vMotion」を使って、オンプレミスのワークロードを中断せずにVMware Cloud on AWSに移行することが可能になった。これが可能になったのは、「AWS Direct Connect」が新たにサポートされたためだ。
またVMware Cloud on AWSでは、32ホストクラスタと複数のソフトウェア定義データセンター(SDDC)に対応した。SDDCは1つにつき最大10クラスタに対応しており、1クラスタあたり最大32ノードを利用できるため、全部で数万のVMを抱える環境にも対応できるようになった。
さらにVMware Cloud on AWSでは、可視性とトラブルシューティングのしやすさを向上させるため、VMwareの製品「Wavefront」に対応した。
新たな利用モデルも追加された。従来はオンデマンドでしか利用できなかったが、1年または3年のサブスクリプションモデルも利用できるようになった。1年または3年の長期契約を結んだ顧客は、VMware製品のオンプレミスライセンスに対する投資が無駄にならないようにするプログラム「Hybrid Loyalty Program」を利用できる。このプログラムを適用すると、オンプレミス用に持っているVMware製品ライセンスの数と種類に応じて、VMware Cloud on AWSの利用料金に割引が適用される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。