フォーラムサイトを構築するソフトウェア「vBulletin」に、複数の脆弱性が存在するという。この情報を取り扱ったセキュリティ企業のSecuriは、開発元のvBulletin Solutionsに連絡したが返信がないとして12月13日に脆弱性情報の公表に踏み切った。
Securiによると、vBulletin バージョン5には、任意のコード実行につながる2件の深刻な脆弱性が存在する。脆弱性はイタリアに本拠を置く新興企業TRUEL ITのセキュリティ研究者と、独立した匿名のセキュリティ研究者がそれぞれ発見し、Securiが運営するプロジェクトを通じて報告された。TRUEL ITが発見した脆弱性には、共通識別子として「CVE-2017-17672」が割り当てられている(もう1件の脆弱性情報)。
Securiは、11月21日にvBulletin Solutionsへ脆弱性情報を提供を試みたが、応答を得られていないと説明。脆弱性を修正するパッチやその影響を緩和する方法が全くない危険な“ゼロデイ”の状況にあると、警鐘を鳴らす。
vBulletinは、PHPとMySQLをベースとしたフォーラムサイトを構築するためのソフトウェアとして人気が高く、Securiによれば、Fortune 500を含む10万サイト以上が導入しているという。2016年に発生した「Ubuntu Forum」を運営するCanonicalでの大規模な情報流出は、vBulletinの脆弱性を突くサイバー攻撃が原因だったとされている。