MSのマルウェア対策エンジンに脆弱性、更新プログラム公開--GCHQ関連組織が発見

Liam Tung (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2017-12-11 11:48

 「Windows Defender」などが使用するマルウェア対策エンジンの深刻な脆弱性について、Microsoftが臨時の更新プログラムをリリースしている。これらの脆弱性を発見したのは、英政府通信本部(GCHQ)のサイバーセキュリティ部門である英国家サイバーセキュリティセンター(National Cyber Security Centre:NCSC)だ。

 NCSCがWindows Defenderを調べたところ、「Microsoft Malware Protection Engine」に深刻なリモートコード実行の脆弱性があることが分かった。

 新たに発見されたこれらのバグ(「CVE-2017-11937」と「CVE-2017-11940」)は、Malware Protection Engineが特定の攻撃ファイルをスキャンするときに、メモリ破壊を引き起こす可能性がある。

 「攻撃者がこの脆弱性を突くことに成功した場合、『LocalSystem』アカウントのセキュリティコンテキストで任意のコードを実行して、そのシステムを乗っ取ることが可能になるおそれがある。その後、攻撃者はプログラムのインストール、データの閲覧、変更、および削除、完全なユーザー権限を持つ新規アカウントの作成などを行うことができる」(Microsoft)

Microsoft
提供:Microsoft

 攻撃者は標的を悪意あるウェブサイトに誘導したり、特別な細工を施したファイルを電子メールやインスタントメッセージとして送信したりすることで(このファイルを開くと、Malware Protection Engineによって自動的にスキャンされる)、このエクスプロイトを実行することができる。

 攻撃者は、同マルウェアエンジンがスキャンを実行するサーバ上の共有ロケーションに、その攻撃ファイルをアップロードすることもできる。

 これら2つのバグは、リアルタイム保護が有効になっているシステムにとって、より大きな脅威になるかもしれない。そうしたシステムでは、同マルウェアエンジンが全てのファイルを自動的にスキャンするように設定されているからだ。リアルタイム保護が無効になっているシステムでは、攻撃者はスケジュールされたスキャンが実行されるまで攻撃を開始できない。

 これらのバグは、サポート対象のあらゆる「Windows」PCおよびサーバプラットフォームのWindows Defenderのほか、「Windows Intune Endpoint Protection」「Security Essentials」「Forefront」「Endpoint Protection」「Exchange Server 2013」「Exchange Server 2016」にも影響を及ぼす。

 これらのバグは一般に開示されておらず、悪用された事例も確認されていないとMicrosoftは述べている

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    KADOKAWAらの事例に学ぶ、2024年サイバー攻撃の傾向と対策

  2. セキュリティ

    MDMのよくある“12の悩み”を解決!Apple製品のMDMに「Jamf」を選ぶべき理由を教えます

  3. ビジネスアプリケーション

    生成AIをビジネスにどう活かす?基礎理解から活用事例までを網羅した実践ガイド

  4. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  5. セキュリティ

    「100人100通りの働き方」を目指すサイボウズが、従業員選択制のもとでMacを導入する真の価値

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]