ビッグデータとアナリティクスで人命を救う--臓器提供を最適化

Bob Violino (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2017年12月27日 07時30分

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 企業の役員が、企業にとってのビッグデータとアナリティクスの重要性について語るのはよくあることだ。しかし、そういった技術を実際に人の命を救うために使っている組織もある。

 米国の臓器移植システムを管理している民間非営利団体、全米臓器配分ネットワーク(UNOS)はそのような組織の例だ。UNOSは提供された臓器と移植を待つ患者とのマッチングを行っている。

 UNOSは移植後の結果に関する調査の一環として、「臓器提供レポート」を作成して移植センターに情報を提供しているが、同組織はセルフサービス方式でより素早く情報を提供できるようにしたいと考えていた。このレポートは、移植センターに対して、月ごとに病院内で実施されたすべての移植手術のリストを提供するものだ。

 この目標を実現するため、UNOSはビッグデータの統合・管理ソリューションを提供しているソフトウェア企業Talendのテクノロジを導入した。

 UNOSはTalendのビッグデータプラットフォームを使ってSparkのコードを生成することで、データの統合を加速している。Talendのデータパイプラインは3つのHadoopクラスタにデータを供給しており、同社のソフトウェアが、Tableauのデータ可視化ソフトウェアが読み取り可能なソースシステムに結果を出力して、Tableauが臓器提供レポートを作成する。

 UNOSの最高技術責任者(CTO)Alex Tulchinsky氏によれば、移植センターの成功は、一般に成功事例の数で測られるという。

 Talendプラットフォームを利用することで、データの処理にかかる時間は18時間から3~4時間まで減り、レポートの生成にかかる時間が最大84%短縮された。

 「今では、1日当たり85人に第2のチャンスが与えられている」とTulchinsky氏は述べている。移植外科医は、ビッグデータとアナリティクスを利用することで、自分の判断やほかの外科医の判断を評価することができ、次の移植により多くの情報を持って臨み、移植を成功に導けるようになると同氏は言う。

 このテクノロジは、「充実した調査環境を構築するのに役立っており、セルフサービス方式の採用で、以前よりも簡単に、素早く、多くの情報を得ることが可能になっている」という。「今ではデータを容易に入手できるようになり、データは毎週更新されるようになった。これまでは、必要な情報を入手するまでに数週間かかっていた。われわれは今後も引き続き、より多くの命を救えるようになることに期待している」(Tulchinsky氏)

 Tulchinsky氏によれば、臓器提供を待つ人のリストには12万人近くが登録されており、臓器提供の最適化は必要不可欠な、現在進行中の課題だという。Tulchinsky氏は「移植病院が移植待ちの患者を受け入れた場合や、臓器斡旋組織が臓器提供者の同意を得た場合は、どちらもUNOSのコンピュータ化されたネットワークに医療データが入力される」と説明する。UNOSのシステムは、移植待ちの患者とドナーの情報を組み合わせることで、臓器ごとに移植待ち患者の順位リストを作成する。

 「医者は、リストに登録された患者のために臓器を受け入れるかどうかをわずか1時間で判断する必要があるため、緊急性が高い」とTulchinsky氏は言う。「臓器移植は限られた時間内に行う必要があることから、この時間の制約は極めて重要だ。われわれには、全員がデータとアナリティクスにアクセスして、より素早く安全に決断を行えるよう、ほかの移植外科医の判断について知ることができるようにする必要があった」

ビッグデータとアナリティクスで臓器移植を最適化
提供:Getty Images/iStockphoto

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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