リトアニアに拠点を置く新興企業のBitDegreeは、テクノロジやスキルを習得する方法を変革するための教育プラットフォームを開発した。
このプラットフォームは、特定のスキルを求める企業が、そのスキルに関連した研修コースを受講する意欲がある開発者や技術者を目指す人々に、金銭的インセンティブを提供するというアイデアに基づいている。
受講者はコース参加と引き換えに、学習成果に基づいてトークンを受け取り、そのトークンを使用して、さらにスキルを向上できる。BitDegreeは「BitDegree(BDG)」という同社独自のトークンを発行しており、現在1万BDGは1イーサリアム(ETH)の価値がある。
BitDegreeのプラットフォームは、ブロックチェーンを基盤とする。同社は2017年12月に実施したトークンのクラウドセールで、参加者から3万2500ETH(3100万ドル)の資金を調達した。
同社の最高経営責任者(CEO)で共同創業者であるAndrius Putna氏は、このプラットフォームを通じて、誰もが所得に関係なく、技術の研修コースを受講できるようにしてスキル不足に対応したいと、米ZDNetに語った。
BitDegreeの諮問委員会には、Electronic Artsの共同創業者であるJeff Burton氏と、CourseraのシニアマネージャーのRoberto Santana氏が名を連ねている。
技術者を雇用したい企業は、専用コースを開発して、奨学金を提供できる。同プラットフォームはすでに、プログラミング言語「Solidity」のコースを開講している。これはイーサアリムブロックチェーン向けのスマートコントラクトを記述する際に使用するプログラミング言語だ。
2018年には、ビットコイン、仮想通貨、「Python」、データ構造とデータアルゴリズム、ロボット工学、「Android」向けアプリ開発、サイバーセキュリティなど、さまざまなコースを提供する計画だ。
BitDegreeは、低所得の学生や、技術に関する優れた教育システムが整っていない国の人々が利用することを期待している。コース受講者は、リモートワーカーとして企業から雇用される道も開かれる。
同社によると、ブロックチェーン技術を採用した理由はいくつかある。まず新興企業である同社が、新規仮想通貨公開(ICO:Initial Coin Offering)を通じて、BitDegreeトークンの購入に関心がある潜在的顧客から、どれだけ資金を調達できるか試したかったという。
次に、受講者にトークンを“スマートインセンティブ”として提供すれば、ゲーミフィケーションの要素を取り入れるツールになる。そして、修了者に信頼できる証明書を発行するために、透明性を確保できるブロックチェーンを選んだという。
同社は現在、コミュニティー構築に力を入れている。「学生、講師、メンター、雇用者など、BitDegreeプラットフォームの参加者はすべて、取引の通貨としてトークンを使用することになる」(Putna氏)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。