海外コメンタリー

CES 2018で語られた5G--ビジネスリーダーが知っておくべき3つのこと

Conner Forrest (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-01-17 07:00

 CES 2018で開催されたあるパネルディスカッションでは、クラウドコンピューティングや自動運転車などをはじめとする次世代技術に5Gがもたらす影響についての議論が行われた。

 今後テクノロジがもたらす大きな変化の1つに、次世代モバイル通信技術 「5G」の導入と普及によるものがある。5Gは消費者と企業の両方に、帯域の増加、遅延の低下、通信速度の高速化をもたらす。

 5G関連のテクノロジは、ラスベガスで開催された2017年のCESでも派手に取り上げられていたが、それは2018年のCESでも変わらなかった。「Mobile Innovation: How 5G will Enable the Future」(モバイルイノベーション:5Gはいかに未来を実現するか)と題したパネルディスカッションでは、百度(バイドゥ)、Qualcomm、Verizonの幹部が、モバイル技術の変化が社会に与える影響について意見を交換した。

 この記事ではその議論の中から、ビジネスリーダーが知っておくべき3つのポイントを紹介する。

1.5Gの導入は急速には進まない

 世界のネットワークに接続されているモバイルデバイスの数は、2014年にはすでに世界人口を超えている。言うまでもなく、それらのデバイスやユーザーを一朝一夕にすべて5Gに移行することはできない。

 Verizon最高技術責任者(CTO)Hans Vestberg氏は、いずれは移行が行われるだろうが、5Gはかなりの長期間にわたって4Gと併存することになると述べた。ただしQualcommのプレジデントCristiano Amon氏によれば、ギガビットLTEのようなテクノロジが、5Gの基礎の提供を促し、世代間のギャップを埋めてくれるだろうという。

 公式の世界的な5G NR標準仕様の初版は2017年12月に策定が完了したが、都市やデバイスメーカー、通信事業者にはまだ多くの仕事が残されている。Vestberg氏は、Verizonは2018年中に、米国の3~5市場で固定5Gワイヤレスサービスを実現することを目指していると述べている。競合企業であるAT&Tも、2018年の末までに、米国内の12の市場でモバイル5Gネットワークを展開するとしている。

 またBaiduの最高執行責任者(COO)Qi Lu氏は、現在同社は中国政府と協力して、5Gの展開を支え、実現するためのインフラとポリシーの構築に取り組んでいると述べた。

2.5Gの真の価値は低遅延にある

 ほとんどのユーザーは、インターネットへの接続速度が高速化されることに魅力を感じるだろうが、ビジネスにとって5Gの真の価値は低遅延にある。Amon氏によれば、これはスマートフォンの値下げにもつながる可能性があるという。

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