コープ共済連、査定業務にAI活用--契約者への支払いを迅速化

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2018-01-25 11:00

 日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済連)は、保険金や共済金の査定業務に人工知能(AI)技術を活用。査定部門の業務高度化に取り組んでいる。

 コープ共済連は、全国152に及ぶ会員生協の組合員とその家族を対象に共済事業を展開している。傷害・病気・死亡などさまざまな保障商品の開発・改善を進めている一方で、査定業務の複雑化という状況も発生していた。共済金の支払い査定業務は年間130万件を超える。

 こうした課題を解決するため、コープ共済連では保険業界向け不正対策ソフト「SAS Fraud Framework for Insurance」を導入した。保険の引き受けから査定支払いにいたる業務全体をカバーし、引き受け・請求事案の正当性の判断精緻化、業務上のミス削減、調査担当者の生産性向上を支援する。全ての保険・保障商品を横断し、顧客ごとの請求履歴や保険契約などのデータを対象に、ルール・異常検知・予測モデル・ネットワーク分析を組み合わせた検知手法で、高い精度でのリスク判定を可能にする。また、調査対象の事案に優先順位を付けて可視化できる調査機能を提供する。

 コープ共済連は、AIを搭載した分析機能と分析用データモデルなどを活用し、請求事案の正当性を判断する予測モデルを構築する。これにより査定業務を高度化させる。また、時系列予測などの分析手法を用いて将来の業務量を予測し、共済金の支払い業務全体の最適化を進めていく。

 査定担当者は、予測モデルが示す請求事案のリスクスコアや根拠情報を参照することで、高い調査品質を保ちながら迅速な判断が可能になるという。事案のリスクスコアに応じて調査レベルを最適化することによって、複雑で人の判断が要求される請求事案の調査に集中できるようになる。その結果、共済金契約者への支払いを迅速化し、不適切な請求事案の検知率を向上するという。

 コープ共済連は今後、共済金請求件数の予測精度を向上させることで、将来の日次請求受付件数を月単位で把握し、適切な人員配置の図っていく。それにより、請求受付から後続の査定業務に至る共済金支払業務全体のコスト最適化とリードタイム短縮を目指す。

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