自動車へのサイバー攻撃を検知--富士通研が新技術

NO BUDGET 2018年01月29日 11時27分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 富士通は、車載ネットワーク(CAN)に対するサイバー攻撃を検知する技術を2018年度に実用化する計画であると明らかにした。富士通研究所が開発を進めている。自動車の制御システムが乗っ取られると、車両の急加速や急停止などが引き起こされ、重大事故につながる可能性がある。

 インターネットなどの外部ネットワークに接続されるコネクテッドカーは、サイバー攻撃による遠隔操作の危険性が指摘されている。自動車は、CAN(Controller Area Network)と呼ばれる車載ネットワークにメッセージを送ることで、ボディや走行の動作を制御する仕組みとなっている。攻撃者は外部との通信装置やゲートウェイを乗っ取り、悪意を持って細工したメッセージを送信することで、車両を誤操作させる。

 今回開発した技術は、平常時のメッセージの受信周期を学習しておき、実際の受信数とのズレを検証して攻撃の可能性を判定する。ズレが発生した場合には、一時的なものか、攻撃によるものかを判断し誤検知を抑制する。

 具体的には、自動車から収録した600秒分のCANデータに対し、既知の攻撃メッセージをさまざまなタイミングで注入。約1万パターンの疑似攻撃データを作成して評価した。その結果、新技術は全ての攻撃を検知し、誤検知が発生しないことを確認した。実際のメッセージの送信間隔が10ミリ秒程度とすると、この方式では攻撃メッセージが注入されてから数十ミリ秒内で攻撃を検知可能だという。

 従来の技術では、周期的に伝達される車載ネットワークへのメッセージ間隔が許容範囲を外れるかどうかで攻撃を検知していた。しかし、実際のメッセージも受信タイミングが揺らぐことがあるため、この方法では正常なやり取りを攻撃と誤って検知することがあった。

 富士通では、人工知能(AI)やデータ分析などの機能を使って自動運転車を実現するIoT(モノのインターネット)基盤「Mobility IoT Platform」を提供しており、新技術もセキュリティ機能に組み込まれる見込みとなっている。

今回開発したセキュリティ技術の概要
今回開発したセキュリティ技術の概要(出典:富士通)

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]