国際ロボット連盟(IFR)が新たに発表したレポートでは、世界的なロボット市場の拡大の度合いを測る興味深い指標が用いられている。その指標とは、ロボット密度だ。
IFRの研究者らは、世界のロボット密度が急激に高まっていることを明らかにしたが、これを不思議に思う読者は少ないだろう。世界のロボット密度は、2015年には労働者1万人当たり平均66台だったのに対し、現在では労働者1万人当たり74台になっているという。
地域ごとに分けると、欧州の平均ロボット密度は、労働者1万人当たり99台にもなる。それに続くのが南北アメリカの84台で、安価な労働力が多く、オートメーション化が遅れている国のあるアジアでは63台だった。
IFRの津田純嗣会長は、「ロボット密度は、さまざまな国における製造業のオートメーション化の度合いの違いを考慮する手段として、比較するための優れた指標だ」と述べている。「アジアでは近年、ロボットが大量に導入されており、この地域がもっとも高い成長率を示した」
2010~2016年にかけて、アジアのロボット密度の年平均成長率は9%だった。これに対し、欧州では5%だった。
アジアの伸びが大きかった要因の1つは、主に中国で過去数年間、ロボットの導入が大幅に増加したことかもしれない。また、2020年までに政府主導でオートメーションを強力に進めようとしているようだ。
2013~2016年にかけて、中国のロボット密度は労働者1万人当たり25台から68台にまで増加した。
世界的に見ると、もう1つのアジア国家である韓国が2位以下に大きな差を付けて首位となった(韓国はオリンピックの来訪者に、盛んにロボット分野の力を披露していた)。韓国のロボット密度は631台だ。
これは誤植ではない。韓国のロボット密度は世界平均の8倍以上となっている。同国は、世界中で進んでいるオートメーション革命の優れた先例と言えるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。