アーキテクトという職業は、エンタープライズアーキテクトやデータアーキテクト、システムアーキテクトなどに細分化される。しかし最近では、クラウドを常に適切な構成に保っておく「クラウドアーキテクト」という新しいアーキテクトも登場してきている。

提供:Joe McKendrick
これはRightScaleが、997人のITプロフェッショナルを対象に実施した調査で明らかにされた要点の1つだ。この調査結果には、クラウドに軸足を置いた企業が登場するなかで、ITマネージャーやプロフェッショナルの役割が変化してきていると記されている。
また、調査ではクラウドアーキテクトの数が増えてきていることも示されている。2018年の調査において、自らをクラウドアーキテクトだと回答したアーキテクトは、2017年の56%から61%に増加している。なお、自らを「ITアーキテクト」だとした回答者は、2017年の35%から31%に減少している。
では、クラウドアーキテクトとはどういったことをするのだろうか?TechTargetによると、クラウドアーキテクトとは「企業におけるクラウドコンピューティング戦略の監督責任を負うITプロフェッショナル。これにはクラウドの採用計画や、クラウドアプリケーションの設計、クラウドの管理と監視が含まれる」という。IT技術者向けの求人サイトであるDice.comを見ると、以下のような人材に対する需要があり、募集要件として「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」が挙げられている場合もしばしばある。
- 「エンタープライズクラウドアーキテクトとして、思想的リーダーシップを発揮するとともに、革新的なテクノロジやビジネスソリューションを開発、監督、実装するための実践的なエンゲージメントを提供する。この役割は、テクノロジや工学的開発のあらゆる部分にインパクトを与えるとともに、インフラおよび、データやアプリケーションの設計、ホスティング、最適化に影響を及ぼす」
- 「クラウドエコシステムの設計と拡張に責任を持つ。AWSやAzure、プライベートクラウドサービスを実現するためにIT組織を横断した共同作業を実施する。スケーラビリティや予測可能性、利用性に優れたセキュアなクラウド機能をもたらすための、クラウドソリューションの設計や配備とともに自動化に関する能力に長けていること」
これで理解してもらえただろう。15年前に、いつの日にかクラウドアーキテクトになりたいと同僚や、大学のキャリア相談担当者に告げることなど想像できただろうか?これからの15年に、どんな奇妙な名前の職業が脚光を浴びるかなど誰も予想できないはずだ。