Appierは3月7日、同社の人工知能(AI)搭載のデータインテリジェンスプラットフォーム「AIXON(アイソン)」に、オーディエンスのセグメンテーション予測機能の追加と、ユーザーインターフェースの刷新を発表した。併せて同日付でオプションとなるトレジャーデータとの連携ソリューションの提供を開始した。
Appier Japan 最高戦略責任者のSean Chu
企業向けAI担当専任部長のCharles Ng氏
製品マネジメント担当部長のMagic Tu氏
まずAppier Japanの最高戦略責任者のSean Chu氏は、日本でのAIXON発表から9カ月が経過したことに触れ、その間に同社がAIXONの技術開発に積極的な投資を行なってきたことを明かした。2017年を振り返った同氏は、「ビジネスの拡張」と総括した。
グローバルでは1年で1000を越えるブランドにサービスを提供したほか、2017年7月に提供を開始したAIXONに関しても順調に採用実績を積み上げているという。次いで、2018年の注力分野として同氏は「初心に戻る」ことを挙げ、同社の“DNA”は「企業がビジネス課題を解決するための手段としてAIを簡単に活用できるようにする」ことだと説明。その上で、AIXONの成長に継続して取り組むとした。また、日本は同社にとって一番重要な市場だといい、日本市場向けに積極的な投資を行っていく考えを示した。
同社で企業向けAI専任開発部長を務めるCharles Ng氏は、AIXONに組み込まれたAI技術について解説した。ごく単純化すると、オンラインショッピングサイトでの購買など、企業に取って期待される行動(コンバージョン)を行ってくれそうなユーザーを予測する「コンバージョン予測」や、「類似ユーザー」としてもとになるユーザーと似た振る舞いをすると見られるユーザーを抽出する技術などを組み合わせることで、次にコンバージョンする可能性の高いユーザーを選び出すことができる、という。
また、同社の製品管理担当部長のMagic Tu氏は顧客のプロファイル分析や類似性を持った顧客の発見機能など、アップデートによって実現された機能について紹介した。
AI技術の活用は現在極めて注目度の高い分野だが、中でもAIXONが実現する顧客データの解析やコンバージョン予測などは企業収益に直結する成果が分かりやすい応用例だと言えるだろう。ユーザー企業に取っても効果が明確なため、導入しやすいサービスだと言えるだろう。