人類と人工知能が共存する未来への第一歩--IBMが「AI倫理」を解説

渡邉利和 2017年10月16日 11時31分

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IBM
IBM Research AI Ethics Global LeaderのFrancesca Rossi氏

 日本IBMは10月13日、「AI Ethics」(人工知能の倫理)に関する説明会を開催した。IBM ResearchでAI Ethicsののグローバル・リーダーを務めるFrancesca Rossi氏は、昨今の「AIが仕事を奪う」といった論調に明確に反対した。

 同氏は、「人工知能(AI)は人間を補完する技術」であり、「人間と共存し、人間のより良い意志決定を支援する」ものだと説明。「The Future is Human + Machine(未来は人類と機械の和)」だと語った。

 その上で同氏は、研究テーマであるAI Ethicsに関し、「AIに倫理や価値観を組み込むことは難題だ」としつつも、それに取り組む意義を「『常識』を踏まえることで、AIが『人間の求める解』を出せるようになる」と言う。

 同氏は、AI倫理という観点から今後AIに求められる要件として、「価値観/倫理観の整合性(Value Alignment)」「信頼(Trust)」「説明性(Explanations)」「透明性(Transparency)」の4点を挙げた。

 価値観/倫理観の整合性とは、端的に言えば「常識的な人間にとって妥当と思える判断を下すこと」と言い換えられるだろう。非常識であったり、非人間的な結論を安易に出すようではAIに対する信頼が揺らいでしまう。

 同様に「信頼」というのは、AIが出した結論を人間が信頼できるかどうかという問題になる。信頼を得るには、その結論がどのようにして導き出されたのかを「説明」できることや、その推論プロセスを明確にできるような「透明性」が実現されていることが求められる。価値観や倫理観は、国や地域、宗教や文化の違いを反映し、さまざまに異なるものとなる。このため、IBM単独で取り組むのではなく、世界各国のさまざまな企業や学術研究機関などと協力して取り組んでいくという。

IBMのAIへの取り組みの基本原則''
IBMのAIへの取り組みの基本原則。目的は「人間を置き換えるのではなく、人間と協調する」ことで、「開発や展開、データの取り扱いに信頼性と透明性を確保」し、「働き方改革に寄与」していくことを目指す

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