ITRは3月13日、国内のERPの提供形態別とパッケージ製品の運用形態別市場規の模推移と予測を発表した。
2016年度の国内ERP市場の売上金額は809億円で、前年同期比9.3%増と堅調な伸びとなった。大企業を中心に基幹システムの再構築が進みつつあることが市場の伸びの背景にあり、2017年度もERPへの投資が順調に続いていることから、同11.7%増の好調な伸びを予測している。
市場をパッケージとSaaSの提供形態別に分類してみると、依然としてパッケージ市場が約8割のシェアを占めているものの、近年SaaS市場が急速に拡大しており、2016年度の売上金額は前年度比44.2%増の137億円となった。2021年度にはSaaS市場がERP市場の45%にまで達すると予測している。
パッケージ市場を運用形態別に比較してみると、パッケージをオンプレミスで運用することよりもIaaSで運用する企業が急速に拡大している。現時点ではAmazon Web Servicesでの運用が主流だが、Microsoft Azureや各ベンダーが独自に提供するIaaSでの運用も拡大傾向にあるとする。
ITRでは、国内ERP市場はグローバルの趨勢と同様に、SaaSとパッケージ(IaaS)を合算したクラウドERPが市場全体の成長性をけん引するトレンドに完全に切り替わっており、2017年度の売上金額ではクラウドERPが3割以上を占める見込みで、2018年度には半数を超えると予測している。