一方、すでにブレグジットがマイナスの影響を与えると心配されている分野が1つある。それがプロフェッショナルの雇用であり、特にサイバーセキュリティ分野では懸念が大きい。今でさえ、企業が情報セキュリティ関係の人材を獲得するのが難しくなっているためだ。
ブレグジットの交渉結果によっては、人の移動に大きな制限がかかり、英国企業の人材獲得に悪影響が及ぶと懸念している人もいる。
BarclaysのシニアサイバーインテリジェンスアナリストLaura Jones氏は、同じイベントで「サイバーセキュリティ分野はすでに人材不足に苦しんでおり、優れた志望者を見つけることは難しくなる」と述べている。
同氏は、自分のチームの約半分が欧州大陸出身の人材であると述べ、ブレグジットがチームメンバーに与える直接的な影響について判断するのは時期尚早だとしながらも、「人々が英国に来るのをためらわせる雰囲気が確かに存在する」と語った。
Jones氏自身もニュージーランド出身であり、2016年6月24日に公表された国民投票の結果を見ていれば、英国に来てBarclaysに就職したかどうかは分からないと述べている。
「私はブレグジットが決まる1日前に、ロンドンへの片道切符を購入した。正直なところ、(国民投票の結果を知った上で)同じ決断をしたかどうかは分からない。1日か2日後であれば、オーストラリアを選んでいたかもしれない」と同氏は言う。
「経済の中心としての英国のロンドンは、外部の人間にとって多少歓迎できないものになるという見方は存在すると思う」とJones氏は述べ、次のように付け加えた。「まだ取り込めていない人材のグループは多く残っており、われわれは雇用の対象範囲を広げる必要がある」
ブレグジットに関して、英国とEUの間でどんな合意が結ばれるか、サイバーセキュリティに関する協力関係にどのような影響を与えるかに関わらず、確実に分かっていることが1つある。ハッキングやサイバー攻撃をもくろんでいる攻撃者が減ることはない。
「サイバー犯罪者がブレグジットについて心配することはないだろう」とEmm氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。