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米ZDNet編集長Larryの独り言

「ブレグジット」がクラウド業界にもたらす波乱--6つのシナリオ

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-07-01 06:00

 ブレグジット(英国のEU離脱)問題は、先行きが見えない状況となっている。しかし、その影響がクラウドコンピューティングのエコシステムにまで及び、将来に暗い影を落としているのは確かなようだ。

 現地時間6月23日に実施された英国民投票の結果を受け、翌日の株式市場は大混乱に陥った。とは言うものの、混乱はまだ始まったばかりだ。多くの大企業は、英国への進出程度に応じて何らかの対策を講じる必要に迫られている。また、多くのテクノロジ企業にとって、ポンドの下落ひとつを取っても業績の悪化に直結する。

 ブレグジットの話題は、今後の数週間に実施される予定のどの決算報告の場でも出てくるはずだ。このため、上記のような簡単な予想だけでなく、現実のテクノロジ展開を念頭に置いたかたちで状況を整理しておく必要があるだろう。そこで本記事では、ブレグジットがもたらすシナリオのいくつかを予想するとともに、各シナリオにおいてAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft、Google、IBMといった大手クラウドプロバイダーがどのような影響を受けるのかについて考察する。


提供:iStock

#1:極めて確度の高いシナリオ

 大手クラウドプロバイダーによる英国のデータセンター建設が一時保留になる。米国のクラウドプロバイダーはEU諸国にデータセンターを設置しており、英国で建設が進んでいるものもいくつかある。英国は今回、EUからの脱退を決定したことを受け、クラウドプロバイダーに適用される法律や規制を新たに設けるはずだ。このため英国内でのデータセンター建設計画はすべて棚上げされる可能性がある。AWSMicrosoftはアイルランドにデータセンターを保有している。また、Microsoftはオランダのアムステルダムにもデータセンターを設置しており、英国内の2カ所にデータセンターを建設する計画を発表しようともしている。一方、AWSもドイツのフランクフルトにあるデータセンターのリソースが枯渇しつつあるため、英国に新センターを建設中だ。新たな規制によってクラウドプロバイダーに課されるコストが増大するため、両社はアイルランドのデータセンターを増強するとともに、ドイツのデータセンター拡大を検討する方向に進みそうだ。

 EUは、インフラの標準を提供するとともに、イノベーションのリーダーに向けてエコシステムを簡素化するというデジタル単一市場(Digital Single Market)の創出に力を入れてきた。英国のIT標準がデジタル単一市場とは違った目標に向かうのは間違いないだろう。

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